ソニー AIセンサーで脱炭素 消費電力7000分の1に IMX500

9/16付けの日本経済新聞の記事からです。例えばこのセンサーにより、監視カメラの映像データをクラウドに送らなくても、センサー内で物体認識など解析ができる。データセンターで処理する従来方式に比べて消費電力を7000分の1以下に抑えられるのが特徴。

2021年度 ESG説明会

実はこのAIセンサーに関する説明は、ソニーグループ株式会社 2021年度ESG説明会の中で出てきたほんの一部の技術情報なんですね。「2. 地球環境に関する取り組み」の中の、「イメージング&センシング・ソリューション(I&SS)事業における取り組み」の中の、「環境への「貢献」」の中で出てきた説明です。

クラウドへの送信データ量と送信後のデータ処理量の低減により、消費電力を1/7000に削減して環境へ貢献するという部分が、よほど記者に刺さったんでしょうね。IoTの進展で(データ量が増えて処理しきれなくなる)『データ爆発』が起こるという社会課題を解決する、素晴らしい技術ではあります。

IMX500

記事ではAIセンサーと紹介されていますが、ソニー自身はインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」と紹介しています。

記事では別物のように書かれているため、分かりにくかったんですが、光学センサーである画素チップとロジックチップ(AI)を積層化した(2枚を張り合わせた)つくりになっているようです。

IMX500の使用により、消費電力削減のほか、レイテンシー(応答速度)の改善、プライバシー面での配慮等が期待できるとのこと。kuniはクラウドからエッジコンピューティングに時代が遷移していくと予想しているので、この技術、非常に注目しています。

ダイナミックプライシング(DP) AIによる需要予測

このところやたらと目にすることが増えてきたダイナミックプライシング。先日はビックカメラが導入を決定したというニュースが流れていましたし、日経ではイーティゴというタイの会社のオーナーへのインタビュー記事が組まれていました。この会社のアプリを使うと、時間帯によっては10%~50%の割引でレストランンが利用できるんだそうです。

意外に歴史のあるダイナミックプライシング

需給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング。意外と歴史は古くて、航空券やホテルの宿泊料ではかなり昔から採用されてきました。閑散期にはお安く、繁忙期にはびっくりするくらいぼったくられるあれです、あれ。あれもダイナミックプライシングです。

ここにきて新たに導入する業界や企業が相次いでいるとのこと。AI(人工知能)による需要予測を使うことで、よりきめ細かく価格を変動させることができるようになたのが要因のようです。冒頭で書いたビックカメラもそうで、対面販売の全直営店舗で全商品に電子棚札を設置し、本部から一括して価格を変更できるようにするというものです。

他にも、プロ野球の楽天イーグルスが観戦チケットの価格を変動させているとか、Jリーグやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどでもダイナミックプライシングを導入しているといいます。そういえば、東京オリンピック開催期間中の夜の首都高を半額に、なんてニュースがありましたが、首都高なんかも渋滞状況に併せて料金変更とかするようになるんですかね。

利用者の目線で

お客さんがなかなか来てくれない時間帯は値下げしてくれる、そんなサービスは消費者としても大歓迎ですね。お客さんが来る、来ないに関係なくお店は固定費がかかっているわけで、それならお客さんに来てもらって、いつもの半分の利ザヤでも売った方がお店側も得なわけです。kuniは去年証券界を引退して、時間をある程度自分のペースで使えるようになったので、世のサラリーマンが使いにくい時間帯でもOK。どんどん値下げしてくださいって感じです。

こんなふうに、お客さんを呼びにくい時間帯に価格を下げて、来店を促す方は良いんですが、逆に繁忙な時間帯はどうでしょう。お店側としては当然価格を引き上げたくなりますよね。経済学的に言うとこの行為も合理的な行為のはずです。しかし、消費者としてはこれは許せませんよね。

リチャード・セイラーというノーベル経済学賞を受賞した偉い人によると、基準となる価格(定価と考えていいと思います)よりも価格が上がった場合、消費者は「弱みに付け込まれた」という印象を持ち、不公正と感じるんだそうです。

ダイナミックプライシングを導入する企業も、この消費者の感覚は十分留意していると言いますが、どうなんでしょうね。温泉旅館の土曜日とかの休前日料金なんて、、、kuniはまったく納得しませんけどね。