日本経済新聞は10/7、「野村・大和、仕組み債販売停止 個人向け、高リスク懸念 証券業界も見直し加速」と報じました。販売方針を見直して、大和は9月28日、野村は10月3日に公募型の販売を停止したということです。
当局の動きに対して
今年の夏ごろ、金融庁と証券取引等監視委員会が、苦情が相次ぐ「仕組み債」について、メガバンクや地域銀行、証券会社などの販売実態を総点検している、なんて話題がありました。そうした当局の動きに合わせて、メガバンクでは三井住友銀行が、地銀でも常陽銀行などを傘下に持つめぶきフィナンシャルグループや千葉銀行が、インターネット証券大手の楽天証券などが、既に販売を停止しています。
とうとう本丸も
そしてとうとう証券大手である野村、大和までが販売を停止するということになりました。という日経の記事なんですが、本文では、「公募型の販売を停止した」と書かれています。公募型を販売停止です。つまり、「私売り出し」や「私募」と呼ばれる販売形態をとる仕組み債については、停止するとは言ってないわけです。
当局の顔を立てるために、世間に対しては公募型の販売停止を宣言しますが、「私売り出し」や「私募」については今後も販売するということですね。ここ、重要で、証券会社のいつものやり口です。
ちなみに公募型は一口100万円から購入できますが、「私売り出し」や「私募」は通常一口1000万円から2000万円で、顧客ごとにオーダーメイドで商品設計され、提供されます。
やれ、テスラの株が暴落してEB(仕組み債)で数千万円損したとかっていいますが、そういう巨額の損失が出るのは、「私売り出し」や「私募」の方なので。。。ただ、公募がなくなれば、小口の(金融資産が少ない)顧客が巻き込まれるケースが減少するのは間違いありませんが。