日本光電 社員3人が贈賄容疑で逮捕 調査報告書を公表

三重大病院臨床麻酔部への医療機器の納入をめぐって、今年1月、贈賄容疑で社員3人が逮捕された日本光電工業。同社は4/15、「調査委員会の調査報告書等に関するお知らせ」を公表しました。

調査委員会を設置

1/20に調査委員会設置のお知らせが出てたんですね。気付きませんでした。ただこの開示も1/7に調査委員会を設置していながら開示は1/20という不思議なタイミングです。1/6の「社員の逮捕について」はただのお知らせでしたしね。

調査結果の概要

逮捕されたのは、中部支店医療圏営業部長、中部支店医療圏営業部三重営業所長、中部支店医療圏営業部三重営業所一係長の計3名。生体情報モニタ等を本来価格より値引きして中間ディーラーに販売し、三重大教授が代表を務める一般社団法人に寄付金名目で現金2百万円を中間ディーラーから送金させたということです。

この値引き、製品によっては 75%以上、平均でも 64%以上の値引きがされていて、中間ディーラーには約350万円の粗利が出たとのこと。この粗利のうち200万円が今回の利益供与の原資となったようです。で、例によってこの3人以外に関与した者はいないということになっています。

現場に負わせたリスク

中部支店の関与者はしばらく、本社営業本部病院営業統括部長に、同社としての寄附の打診を行っており、当初の段階では打診に対して否定的な回答があったといいます。ところが、その後複数回現場から打診がなされた際には本部からの回答はありませんでした。

報告書では本社側の認識等について明確な調査結果を出していませんが、どこにでもある光景ですよね。本社としてはOKは出せない。あとは現場で考えろ。みたいな感じでしょう。

今回、調査報告書の開示と一緒に、業績上方修正の開示もされています。よくある悪いニュースを良いニュースと一緒に開示する手法です。たしかに調査委員会は4/14まで活動したことにはなってるんですが、、、タイミング良すぎですね。

日本光電 社員3人が贈賄容疑で逮捕 他の業者へ波及も

医療機器の納入をめぐって、三重大病院臨床麻酔部の元教授、亀井政孝容疑者が代表を務める法人の口座に現金200万円を振り込んだとして、愛知、三重の両県警は6日、贈賄容疑で日本光電工業の社員3人を逮捕しました。元教授ももちろん逮捕されています。

社員の逮捕について

1/6付で同社のホームページに「社員の逮捕について」というお知らせが掲載されています。がしかし、このプレスリリースは同社HPのみ、TDnetには掲載されていません。周知する気のないプレスリリースです。

プレスリリースでは、「当社は捜査に全面的に協力していますが、現在、警察による捜査が行われているため、本件に関する詳細の公表は控えさせていただきます」とあります。

複数業者に現金要求 逮捕の三重大元教授

翌日の1/8付け日本経済新聞には、上記タイトルの記事が、、、。複数の医療機器関連の業者に現金の提供を求めていたことが7日、捜査関係者への取材で分かったとのことです。

亀井容疑者が代表理事を務める一般社団法人(津市)の口座には複数の業者から合計400万円が振り込まれ、約250万円が同僚らとの飲食代に使われたそうです。「自由に使えるお金がほしい」という趣旨の発言をして現金を要求していたといいます。

さらに、亀井容疑者の部下だった元准教授も、実際は使っていない薬剤を投与したようにカルテを改ざんし、診療報酬を不正請求した疑いで逮捕、起訴されています。1/6には追加の容疑でしょうか、再逮捕されています。酷い奴らです。

今後の展開

話を戻して日本光電。逮捕されたのは中部支店の営業部長とその部下だと思われます。200万円ともなると営業部長だけの判断ではありませんね。会社の経営層まで捜査が及ぶことになりそうです。

また、複数業者に現金を要求ということですから、別の企業も登場してくることになりそうです。納入した医療機器は「生体情報モニター」という機器。上場企業ではほかにフクダ電子などが関連企業ですね。あくまで製造しているってだけの話ですよ。