9/20付け日本経済新聞で「豚コレラ対策、ワクチン接種へ」という記事がありました。豚コレラに有効なワクチンあるなら何で使わないのよ、と思ったわけですよ。実はワクチン使いたくても簡単には使えない、深~い訳があったんですね。kuniの勉強不足でした。
OIE(国際獣疫事務局)
OIEは1924年に設立された獣疫に関する国際組織で、世界182ヵ国が加盟しています。国際的な家畜の安全基準を定めたり、それらに基づき安全な国かどうかを認定するなどして、国際的な家畜の取引を安全衛生面から支えている機関、といったところでしょうか。
このOIEによる「清浄国」という格付けが重要ならしく、この格付があると欧米などの同じ「清浄国」への輸出が可能になるとのこと。また、「非清浄国」からの輸入を拒むこともできるようです。
清浄国認定の要件
今回日本がワクチン接種を躊躇してきたのは、「ワクチンを使用している=非清浄国への格下げ」、という規約があるからのようです。ワクチンを用いない防疫体制が確立されていることで、「清浄国」のお墨付きがもらえるということですね。
また、最初の豚コレラ発生から2年以内に感染が収束しない場合は、ワクチンを使用しないでも「非清浄国」になるようです。既に発生から1年が経過しています。
農林水産省の判断
ワクチン接種に踏み切れば、OIEの「清浄国」の格付けから外されることになり、日本からの輸出全体が制約を受けることになる。だから、ワクチン接種はしないという判断。これがとうとう、地域を限定した接種であれば、それ以外の地域はOIEから「清浄」と認められる可能性がある。というビミョーな判断に方針転換。
何やら後手後手にまわるところ、台風15号に対応した東京電力のような感じですね。ここまで1府7県にまで拡がり、殺処分された豚は13万頭に上ります。残された時間もあと1年。このままだと輸出できなくなる前に、輸出する豚がいなくなってしまうのでは?