証券取引等監視委員会 EduLab(エデュラボ)に課徴金勧告 2億円超

証券取引等監視委員会は10/20、「株式会社EduLabにおける有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について」を公表しました。当ブログでも何度か取り上げた民間の語学テストの運営などを行う「EduLab」です。

課徴金 237百万円

同日EduLabもこのことについて開示しており、監視委員会は課徴金納付命令を発出するよう金融庁に勧告を行ったとしています。その額は237百万円。重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書を提出し、株式を募集していた(投資家を騙して買付させた)ことに対するものです。

事業損失引当金を計上しなかったり、売り上げを過大に計上したりといった不正な会計処理を行うことで、純利益を大きくみせていたわけですね。こうした投資家を欺く行為は株式市場では絶対行われてはならない行為です。

それにしても

一方で、同社は10/2、「『令和6年度全国学力・学習状況調査を実施するための委託事業(中学校事業)』受託のお知らせ」を公表しています。その受託金額は約17億7,300万円だそうです。こんな悪いことしてきた企業に対して、公の教育事業で注文を発注するのって、どうなんでしょう。いろいろ事情はあるんでしょうが、どうにも納得できません。

富士ソフトサービスビューロ ユー・エム・シー・エレクトロニクス 審判手続開始決定通知書

有価証券報告書等の虚偽記載について、証券取引等監視委員会から課徴金納付命令の勧告が行われた富士ソフトサービスビューロ。2/4には「審判手続開始決定通知書」を受領したことを開示しています。応諾することも併せて表明しました。

開示の内容

「2/4付けで審判手続開始決定通知書を受領し、取締役会でその内容を応諾することおよび答弁書を金融庁審判官に提出することを決議したことをお知らせします。」と書かれています。投資家や株主のための開示のはずですが、難しいですね、これ。

課徴金納付の流れ

ということで少しわかりやすくしてみましょう。いつも書いているように、まず証券取引等監視委員会が内閣総理大臣および金融庁長官に対して課徴金納付命令の発出を勧告します。これを受けて、金融庁は審判手続開始決定通知書を当該企業に送付します。

企業は通知を受けた内容(審判の期日、場所、違反事実、課徴金の額など)を確認し、異議がなければこれを応諾し、違反事実、課徴金の額を認める旨の答弁書を提出します。答弁書を提出することで、審判(裁判類似手続である行政審判)は開催されることはありません。

その後、審判官は課徴金納付命令決定案を作成し、金融庁長官に提出します。金融庁長官は、その決定案に基づき、課徴金納付命令の決定を行います。ザックリ、こんな流れなんですね。

今回の富士ソフトサービスビューロの開示。審判手続開始決定通知書を受け取ったけど、課徴金納付に関して異議がないので、答弁書を提出して納付命令に従うことにしました。ということでした。同じ日に勧告されているユー・エム・シー・エレクトロニクスはまだ何も開示してませんね。