Recovery International 株式会社 介護事故損害賠償請求訴訟

Recovery Internationalは12/13、「当社に対する控訴の提起に関するお知らせ」を公表しました。介護事故損害賠償請求訴訟ということで、昨年10月に東京地方裁判所より原告の請求をいずれも棄却する旨等を内容とする判決を受けていましたが、これが控訴されたということです。

Recovery International

Recovery Internationalは、看護師等が利用者の自宅等に訪問して、病気や障がいに応じた看護を行う訪問看護サービス事業を展開する企業です。医師の指示書に基づき、医療処置を行い、健康状態の悪化防止、回復、予防に向けて看護を行うんだそうです。

訴訟の概要

食物誤嚥による窒息で死亡した元利用者の遺族から2019年4月に、損害賠償金及び慰謝料の合計110百万円超の支払いを求めた訴訟を東京地方裁判所に提起されています。結果は「原告らの請求はいずれも棄却」ということになりました。

誤嚥による窒息死ですかぁ、詳しい情報がないのではっきりしませんが、看護師等が利用者に食事を与えていた際の事故のようですね。介護も看護もめちゃくちゃ大変なお仕事だと思います。にもかかわらず、収入が低いということがよく話題になりますよね。

そんな仕事でトラブル。1億円を超える損害賠償請求訴訟。ホント割に合わないお仕事だなぁ、というのが個人的な感想。もちろん看護師側に相応の過失があったのかもしれませんが。この会社今年2月に上場したばかりで、事故の発生時や第一審の結果などの情報が開示されていません。

上場時の目論見書には記載されているのかもしれませんが、同社側に過失がなかったのであれば、今一度事故の概要等を開示された方が良いのでは?同社にとっては致命的なダメージを受けかねない事故ですからね。

株式会社ストリーム 時間外労働で地裁が賠償命令

2/24付け日本経済新聞の記事に、「残業労働223時間、地裁が賠償命令 ネット通販企業に」というのがありました。このネット通販企業というのは通販サイト「ECカレント」などを運営しているストリームという会社です。

株式会社ストリーム

ストリームは家電、PCなどのインターネット通販事業の売上高が全体の約9割を占める企業。ビューティー&ヘルスケア事業、その他事業も手掛けています。東証2部上場企業で、ヤマダホールディングスの持分法適用関連会社ですね。

事案の概要

ストリームの物流センターで働いていた仙台市の40代男性が、1カ月223時間超の時間外労働でうつ病を発症したとして、約6,887万円の損害賠償を求めた訴訟の判決。東京地裁は2/22、安全配慮義務に違反したと認め、同社に約2,425万円の支払いを命じました。

男性は2010年に入社し、さいたま市の物流センターに勤務していた13年11月に147時間超、翌12月には223時間超の時間外労働に従事し、14年2月ごろ、うつ病を発症。その後退職して労災認定を受けていました。かなりブラックですね。

相場操縦事件も

「ECカレント」というサイトはよく知ってましたが、ストリームという会社については知りませんでした。調べていると、同社では「株価操縦容疑で元社長が逮捕へ」、なんて記事が出てきました。インサイダーでもあるのかな。他にも金融ブローカーみたいな人達が絡んでいたようです。逮捕者6人とか。

この株価操縦が行われていたのも、2014年の夏ごろみたいです。株価操縦やらに関与していた経営陣の下で、従業員は擦り減っていってたんですね。ストリームの現在株価は120円台。その後も経営はうまくいってないようです。

デロイトトーマツ 違法な引き抜き工作に勝訴

デロイトトーマツコンサルティングは2/16、「訴訟の判決について」を同社ホームページで公表しました。過去に在籍していた元パートナーによる会社法および社内規程等に違反した在任中および退職後の悪質な引き抜き行為を提訴していた件です。

デロイトトーマツコンサルティング

世界最大規模の会計事務所であるデロイト・トウシュ・トーマツの主要メンバー企業であり、世界150ヶ国、25万人以上のエキスパートが連携し、経営戦略、M&AやITアドバイサリーなど多岐にわたる専門サービスを提供する世界最大級のグローバル経営コンサルティング会社の一つです。

親会社のデロイト・トウシュ・トーマツは、世界4大監査法人グループとして「BIG4」などといわれてますよね。残る3社は、PwC、EY、KPMGです。今回の事件はデロイトからEYに転職した元幹部が起こした、デロイトの元部下ら複数の従業員に対する引き抜き行為です。

判決の概要

「判決では、部下らに移籍後の構想を説明し、EY社での勤務条件についても部下らの代わりに同社と交渉するなど、積極的な働き掛けがあったと指摘。」

「また、内部情報を外部に伝えて批判的な記事の掲載に協力するなどしており、「一連の行為はデロイト社の事業に悪影響を及ぼすために行われたもので、違法だ」、ということだそうです。約1億2千万円の損害賠償を求めていましたが、約5千万円の支払いを命じる判決に。

上場企業ではありませんが、社会的にも影響力ある企業なので取り上げてみました。外資系企業では、このての引き抜き行為、当たり前のように行われてきました。この判決を見てビビってる方多いと思いますよ。敗訴した現EYのパートナーさん、ひょっとしたらkuniの知り合いかも。

佐渡汽船 ジェットフォイル事故で損害補償請求訴訟

佐渡汽船は7/16、「当社に対する訴訟の提起に関するお知らせ」を公表しました。2019年3月9日に発生した、同社が運航するジェットフォイル「ぎんが」が海洋生物と思われる水中浮遊物と接触し、同便に乗船していて負傷した乗客からの提訴です。

ジェットフォイル事故

新潟発・両津(佐渡島)行のジェットフォイル「ぎんが」が、佐渡沖の海上でクジラのような海洋生物とみられる物体と衝突し、乗客108人が重軽傷を負ったという事故です。なんとなく記憶にはありましたが、この事故で108人中38人が腰椎を骨折されてたんですね。

乗客と和解についての話し合いを行ってきたようですが、同社の提示額と訴訟を提起された方が求める額が乖離しており、約3000万円の損害補償請求訴訟の提起にいたったということです。

佐渡汽船

ネットで調べていたんですが、この佐渡汽船、他にも事故とか起きてますね。今年1月には新潟県の直江津港において、停泊中の佐渡汽船「ときわ丸」が追突事故。この時は他の船にぶつけられたみたいですが、2月にはまた別のジェットフォイル「つばさ」が電源を喪失し、佐渡島の東の海上で動けなくなったという事故も。

運航中に漂流物とみられるものを吸い込み、電気系統に不具合が生じて航行不能になったといいます。乗客は約9時間、停電となり、暖房が動かず、水洗トイレも使えない状態で閉じ込められたみたいです。

前期、債務超過に陥ってしまった会社で、事故が多発。なんかやな感じですよね。さらに大きな事故が起こらなければいいのですが。