楽天 6回目の行政指導

総務省は9/11、スマホの過度な値引きを是正するよう、楽天モバイルに行政指導しました。過度な値引きは通信料の高止まりにつながるため、電気通信事業法で規制がされています。当ブログの常連になりつつある楽天、、、今回で行政指導は6回目ですね。

事案の概要

スマホと回線のセット契約を条件に、2万2千円分の楽天ポイントを付与するキャンペーンを実施していたということです。現行ルールではこのセット値引きは上限2万円までとなっています。この上限を超える利益の提供が1186件で行われたということです。

確信犯?

そもそもこのルール、通信料金を引き下げる原資が、頻繁にスマホを買い替える顧客への利益提供になってしまわないように、という超基本的な考え方をルール化したものです。上限を超えてルール違反になっていることに気付かなかった、なんてありえないと思うんですが。

とはいえ、3月にはKDDIが、5月にはNTTドコモが総務省から行政指導を受けているといいますから不思議です。調べてみると、楽天モバイルがこのキャンペーンを告知したのは7/15で、翌16日にはキャンペーンの条件を改定しているようです。そのわずかの間の申込が1186件あったということのようです。本当に気付いてなかったんでしょうか。

公表のタイミングが

通信料金の引き下げは菅氏が官房長官時代の2018年に「4割下げられる」と表明した肝煎りの政策です。「第4のキャリア」として参入した楽天は、いわば菅氏にとっては切り札的存在ですね。その切り札が総裁選(9/14)直前の9/11に行政指導を受けたの報。

タイミング良過ぎですよね。菅氏の足を引っ張ろうとした輩がいたのか、新生菅総裁がスタートで躓かないよう、安倍総裁の任期中に膿を出そうとしたのか、、、。ちょっと考えすぎですかね。

楽天 周波数の無断変更に行政指導

総務省は7/10、楽天モバイルに対し、同社がスマートフォンの対応周波数の一部を無断で変更するなど、電波法に違反したとして行政指導しました。楽天モバイルの携帯事業に対する行政指導は5度目だそうです。総務省も彼らに期待しているがゆえに歯がゆい思いでしょう。

ワンマン経営

良くも悪くもこの人なんでしょうね。もともと楽天は創業者でもある三木谷氏のワンマン経営と言われ続けてきました。おそらく今もそれは変わってないんでしょう。モバイルだけではなく、楽天市場でも、「送料無料」を巡る公正取引委員会との対立が話題になりました。

ワンマンで強引だからこそ、短期間であそこまでの企業グループを作り上げてこれたわけです。プロ野球球団は日本一になりましたし、J1ヴィッセル神戸も強くなりました。日本でイニエスタ選手のプレーが見られるなど、kuniも喜んでいます。

しかしその一方で、何それ?って驚くほどのミスや不正も後を絶ちません。これもワンマン経営が産み出す副産物なんでしょう。オーナーの判断には誰も異を唱えることなく、オーナーへの忖度から、目標を達成するためには手段を選ばない。そんな組織になってしまっているようです。

再発防止

今回の行政指導を受け、法令順守の徹底やマニュアル整備、チェック体制の整備といった防止策を総務省に提出。12月末まで、再発防止の取り組み状況を毎月報告することになりました。行政ではよくあるパターンですね。

これらの再発防止策は実務を行う人たちを縛るルールです。不正を発生させないルールがあっても、経営と現場が乖離したままでは、現場の人たちが苦しむだけ。経営をけん制する取締役や監査役、現場の声を経営にあげる管理層の機能についても見直す必要がありそうです。