9/4の日本経済新聞に、「アマゾン、公取委に改善計画 値引き分の補填要求巡り」という記事がありました。通販サイトでの値引き分の一部を納入元の事業者に補填させたとして公正取引委員会の調査を受けていたアマゾンジャパンの記事。今日は「確約手続」について。
独占禁止法
アマゾンジャパンは2017年ごろから、値引き分の一部補填のほか「利便性向上」などの名目で販売額の数%から数十%の負担を納入元に求めた疑いを持たれていました。公取委は2018年3月、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで同社を立ち入り検査しています。
対するアマゾンは、早期決着を図り、法令順守の姿勢を示すため、自主的な改善を確約することで排除措置命令などが免除される「確約手続」の適用を申請するといいます。ここでも出てきました、「確約手続」。
ゲンキー株式会社の記事でも紹介しましたね。確約手続というのは、平成30年12月30日に新たに導入された制度で、独禁法違反の疑いについて、公正取引委員会と事業者との間の合意により、自主的に解決するための手続です。
確約手続はTPP協定(環太平洋パートナーシップ協定)及びTPP11協定の締結に伴い、独占禁止法の違反の疑いについて、公正取引委員会と事業者との間の合意により自主的に解決する制度として導入されました。
確約手続の対象とならない場合
とても合理的な仕組みだと思いますが、この手続きの対象とならないケースもあります。
①入札談合、受注調整、価格カルテル、数量カルテル等(いわゆるハードコアカルテル)
②過去10年以内に同一の条項の規定に違反する行為について法的措置を受けたことがある場合(繰り返し違反)
③刑事告発の対象となり得る国民生活に広範な影響を及ぼすと考えられる悪質かつ重大な違反被疑行為
これらについては、違反行為を認定して、法的措置を採ることにより厳正に対処する必要があるため、確約手続の対象となりません。