株式会社ベクター 特別調査委員会の調査報告書(中間)を公表

ベクターは3/10、「特別調査委員会の調査報告書(中間)公表に関するお知らせ」を公表しました。2/16から決算発表を延期して、トーマツが指摘する問題を調査してきたわけですが、四半期報告の期限(=上場維持の期限)である3/14目前に中間公表という形になりました。

調査報告書の概要

監査法人であったトーマツから指摘されていた「疑義」として、調査委員会が調査してきたのは6件の疑義。メインは、不正な資金流出及び資金還流の疑義であり、これらが3件。加えてその他取引に関する疑義としてもう3件です。

メインの疑義に関する調査の結果はそれぞれ、「この支払が不正な資金流出であった事実は認められない」、「蓄電池保証金が還流したものとは認められない」、「本件支払いについて、不正な資金流出を疑う余地はなく、不適切な利益計上を疑う余地はない」とされています。

ようするに、特別調査委員会による調査の結果は問題なし。新しい監査人が粛々と四半期報告書の提出に向けて作業して、3/14(明日)の期日に間に合わせます。という結果です。

上場廃止は免れたけど

トーマツから不正等の疑義の指摘を受け、特別調査委員会を設置。翌日にはうるさい監査人(トーマツ)を変更。3週間ほどの調査で調査結果は問題なし。四半期報告書提出も間に合って上場廃止は免れました、、、と。ん~、あるある、な展開になりましたが・・・。

開示文にもあるように、最終報告書では原因分析と改善策が追加されるだけでしょう。しかし、トーマツが指摘していた疑義の数々、これですべて問題なく解決した、とは思えませんね。この後どういう展開になっていくのか。投資家の皆さんは「君子危うきに近寄らず」ということで。

ジー・スリーホールディングス 特別調査委員会の設置

ジー・スリーホールディングスは11/10、「特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、計上の時期が適切ではないとの指摘を受けたとのこと。特別調査委員会を設置し、客観的な調査を行うそうです。

ジー・スリーホールディングス

ジー・スリーホールディングスは、太陽光発電所の運用による売電など、太陽光発電関連を中心とする再生可能エネルギー事業を手掛ける東証2部上場企業です。旧社名はコネクトホールディングス。2016年に現在の商号に変更しています。携帯電話向けソフトウェア開発でスタートした会社なんですね。

事案の概要

2017年8月期に同社が販売した未稼働太陽光発電所の権利の売上について、その売上金額280百万円の計上の時期は、本来であれば2019年8月期に計上すべきものではないかとの指摘を外部から受けたといいます。最近多いですね、「外部からの指摘」。やはり税当局でしょうかね。

2017年8月に、「当社における未着工太陽光発電所の権利を保有する合同会社出資持分の一部売却に関するお知らせ」という開示がありました。多分この件に関するもののようです。

出資持分 50%のうち 16.7%(同社出資持分の 1/3)を売却したということなんですが、売却先は同社の株主だったりします。同社の決算期末に合わせたようなタイミングになっていて、駆け込みで収益を突っ込んだ風ですね。それにケチが付いたと。

特別調査委員会設置の目的

少々気になる部分が設置の目的の中に。「本件およびその他外部から指摘を受けた案件に係る事実関係の調査」という部分です。他にも外部から指摘を受けた案件があるような書きぶりです。怪しげです。

日本軽金属ホールディングス 特別調査委員会の委員変更

本来JISマークを表示してはならない製品に、製品の出荷時に添付する現品票にJISマークが表示されていたとして、特別調査委員会による調査を進めていた日軽金HD。11/1に「特別調査委員会の委員構成の一部変更に関するお知らせ」を公表しました。

特別調査委員会

特別調査委員会設置の決定が6/9でしたから、既に5か月が経過。10社ある子会社にどんどん飛び火していってるような感じでしたが、なんと、ここにきて委員会メンバーの変更だそうです。

今回の開示ではその理由を、「調査の進捗に伴い、その検討事項が増加していることを踏まえ、更に迅速かつ徹底した調査活動を行うため」、と説明しています。業務量が増加していて、さらに徹底した調査を、、、ということなんですが、なんだか変な感じ。

設置時に委員長をお願いしたN弁護士に代わって、前大阪高等検察庁検事長だった方が委員長になるそうです。N弁護士が委員長を降りる理由については説明なし。というか、N弁護士が降りることすら触れられていません。

なんで委員減らすの?

委員長が変更になり、さらに委員だった社外取締役と社外監査役のお二人が外れる形になってます。結局委員は5名から3名へ。検討事項が増加しているのに、なぜ委員会メンバー縮小なんでしょうね。もちろん、委員ではない補助者とかを増やすのかもしれませんが(そのことについては触れられてない)、なんか不自然です。

委員会と経営の間で何か揉めたりしてるんでしょうか。委員会の中で委員同士が揉めてたりするかもしれませんね。日軽金の調査、さてさて、いつまでかかるのやら。

株式会社メタリアル 特別調査委員会を設置 (旧社名:ロゼッタ)

株式会社メタリアルは10/15、「外部機関からの指摘及び同指摘を踏まえた特別調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。聞いたことない社名だなぁ、と思って調べたら、以前のロゼッタなんですね。今年9月に持株会社体制への移行に伴い、メタリアルに商号変更してます。

メタリアル

メタリアルは産業・ビジネス分野で自動翻訳ツールを中心に、各種翻訳サービスを提供する東証マザーズ上場企業です。AIによる機械翻訳サービスを提供するMT事業、人間が翻訳サービスを行うHT事業、多言語の翻訳などを扱うクラウドソーシング事業などを手掛けています。

いやぁ、ビックリです。この会社にも昔お世話になった方がボードメンバーとしていらっしゃるんですよね。大事にならなければ良いのですが。

事案の概要

10/11~10/12、同社の会計処理に対して、外部機関からその妥当性に対して指摘を受けたといいます。同社MT事業における開発プロジェクト及びプロダクトの一部について、過年度の「収益認識および期間帰属の妥当性」及び当期も含めた「ソフトウェア資産計上の妥当性」についての指摘事項だそうです。

外部機関というのは、国税でしょうかね。今まで見てきた事例では税務当局から指摘を受けるケースでは架空取引なんかが多いような気がしますが。今のところ開示されているのは上記の指摘事項のみです。

指摘事項の妥当性を公平に判断してもらうために、特別調査委員会を設置して調査を開始するとのこと。調査期間は11/29までの1か月半(の予定)となっています。

決算延期

同日の開示で決算発表の延期を公表、併せて四半期報告書の提出期限延長に係る承認についても。延長後の提出期限は11/30となっています。9月に持ち株会社として新社名でスタートしたばかり。いきなり不正・不祥事の発覚ともなれば、、、前途多難ですね。

北弘電社(1734) 特別調査委員会を設置

株式会社 北弘電社は8/17、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。その直前には、令和4年3月期第1四半期決算発表の延期を公表し、第1四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書を提出し、承認されています。

北弘電社(きたこうでんしゃと読みます)

北弘電社は北海道地盤の電気設備工事会社。ビル・建築物の電気設備工事を手掛ける屋内配線工事を主力に、送電線工事などを行う電力関連工事などを手掛けています。三菱電機が発行済み株式の26%を所有する、同社の持分法適用会社ですね。

太陽光発電所建設工事

太陽光発電所建設工事に関わる案件について、原価総額の見積を見直したところ、損失が発生することが見込まれることから、決算発表を延期し、特別調査委員会を設置して調査するといいます。

おそらく太陽光発電所建設工事の原価を他の案件に付け替えたり、先送りしていたりといったところでしょうか。過年度の決算内容も含めて精査するといいますからかなり長期にわたる行為のようです。しかしそれだけにしては特別調査委員会の設置、、、かなり重い対応ですよね。

電気設備工事業者で三菱電機の関連会社

現時点で公表されているのはこれくらい。当ブログで過去に取り上げたことのある日比谷総合設備。従業員が架空発注により同社に5億8000万円を支払わせていたという事件でした。他にもサンテックという企業でも業務上横領が発生していました。どうもこの電気設備工事業という業界では不正が多く、ガバナンスもゆるゆるというイメージが。

で、おまけに、不正・不祥事のデパート三菱電機の持分法適用会社となると、かなりマズい事件が出てきそうな予感がしますよね。