SAR(ストック・アプリシエーション・ライト) 日産自動車 西川社長(その2)

前回は株主総会に諮られた日産のSARの概要について、全文を引用しました。概要を株主総会で承認してもらい、その詳細については取締役会に一任するという形です。そのため、取締役会の議事録でも手に入れない限り、条件等の詳細は分かりません。

文藝春秋7月号

グレッグ・ケリー前代表取締役の証言を、文藝春秋が伝えました。西川社長がケリー氏に対して、自身のSARについて問い合わせたうえで、秘書室に行使日の変更をさせたという証言です。また、そうして4700万円が上乗せされ、支給された約1億5000万円で渋谷にマンションを購入したのでは?といった推測も。この記事がきっかけになって社内調査が始まったみたいです。

一方で西川社長は、「SARについてはグレッグ・ケリー氏ら事務局に一任しており、適切に行われていると認識していた。事務局の運用の仕方に問題があった。」と言ってます。ケリー氏の証言(文藝春秋の記事)とは食い違っているわけです。

日産の社内調査報告

日産の社内調査報告が9日、開示されました。今後の司法手続きへの影響を考慮し、概要だけを公表しています。その中で西川社長のSAR行使に関する記述が、少々理解不能なことに。

西川社長が役員報酬の増額の検討を申し入れたが、ケリー氏はこれに応じなかった。ところが、SARの権利行使日を一週間ずらすことで、SAR行使による報酬を約4700万円不正に増額して支給したという表現になっています。是非皆さんもニュースリリースをご覧になってください。

ケリー氏の証言と社内調査報告のビミョーな食い違い。役員報酬の増額を相談したのは事実だが、それは断られた。役員報酬の増額に代えて、SARの権利行使で報酬を増額したのはケリー氏が勝手にやったこと。という理解で良いんですかね。え~っ‼ なんじゃそりゃ?