山口フィナンシャルグループ 臨時株主総会開催 金融庁から報告書徴求も

元会長の辞任勧告やら、執行役員の解任やらで揺れている山口フィナンシャルグループは11/1、「臨時株主総会開催日等及び付議議案の決定に関するお知らせ」を公表しました。臨時株主総会の開催日はなんと、12/24。クリスマスイブです。

付議議案

付議される第1号議案は、「取締役 吉村猛氏 解任の件」です。もういいでしょう、今回は実名を書きます。元会長ですね。取締役会で辞任勧告を決議してから続報がありませんので、元会長としては「承服しかねる」ってところでしょう。株主総会に諮られることになりました。

新銀行設立に関することから、女性問題まで、議案の提案理由としてまた不細工な話が語られています。ちなみに第2号議案は取締役1名の選任の件。吉村氏の解任が可決された場合に、社内取締役が1名のみになるため、社内から1名の取締役を選任しておくということです。

銀行持ち株会社ということもあって、大株主は機関投資家だらけ。良識や世間体を気にする投資家だけに元会長には不利ですかね。さて、株主の判断はいかに、ってとこですね。

金融庁

山口FGの一連の騒ぎ、というかクーデター?さすがに金融庁も動きを見せたようです。金融庁は1日までに、山口FGに報告徴求命令を出しました。日本経済新聞によると、今後の対応などについて報告を求めているとのこと。報告期限は月内とみているようです。

また、山口FGは1日、新銀行設立に向けた検討を中止すると発表しています。「地方創生に資するビジネスモデルに整合しない構想」だと判断したということです。しかし不思議なのは、この新銀行設立中止発表だけはTDnetに開示してないんですよね。なぜでしょう。

海帆(3133) 臨時株主総会の開催日延期に関するお知らせ

臨時株主総会招集のお知らせを7/23に開示し、9月中旬に開催予定としていましたが、9/17、開催日の延期を発表しています。この臨時株主総会に関わる付議議案の確定に時間を要するため、、、だそうです。かなり厳しい事情になっているようです。

なつかし処昭和食堂

海帆(かいはん)は、居酒屋(「なつかし処昭和食堂」など)を中心とした、飲食店舗の企画開発及び運営を事業とする東証マザーズ上場会社です。他の事業はなく純粋な外食産業ですね。今回のお知らせは臨時株主総会開催延期の件ですが、ほかにもいろいろ、、、このところの同社の足取りを見てみました。

2019年12月23日 ノロウイルスによる食中毒事故発生に関するお詫び
2020年03月31日 第三者割当による普通株式の発行
2020年05月11日 役員報酬の減額に関するお知らせ
2020年05月15日 継続企業の前提に関する事項の注記についてのお知らせ
2020年06月30日 第三者割当増資に係る資金使途変更に関するお知らせ
2020年07月09日 債務超過の猶予期間入りに関するお知らせ

昨年12月の食中毒事故発生からどうもおかしくなってきています。第三者割当による2億円の増資は、代表取締役個人に割り当てたものです。業態変更のための改装資金やM&A資金を使途とした資金調達のはずでした。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰りが苦しくなり、6月には資金使途の変更を公表します。この2億円、ほとんどが人件費と地代家賃に充当されてしまいました。そして20年3月期末をもって314百万円の債務超過に。東証からも上場廃止に係る猶予期間入り銘柄に指定されます。

よく見ると新型コロナ以前、少なくとも2018年3月期から赤字を拡大させてきており、同期間の売上高も大きく減少してきています。そこへ今期はコロナも、、、相当ヤバい状況ですね。

サクサホールディングス 社長交代を公表

連結子会社のサクサシステムアメージングで不適切な会計処理(架空取引も)があったとして、特別調査委員会を設置して調査を実施しているサクサホールディングス。調査の過程でさらに新たな疑義も発覚しているとか。8/31に社長の交代を発表しています。

社長人事はかなり混乱

5/20には社長が退任して副社長が昇格するシナリオを取締役会で決定(退任する社長は非常勤相談役に)。6/26の定時株主総会では取締役5名選任を決議しましたが、その中に社長の名前はありません。

で、8/31に社長交代の発表。今回の不祥事発生当時、まだ取締役ではなかった方が新社長になり、元社長は代表権のない取締役に。また、新社長になり損ねた副社長も代表権のない取締役にこれまた降格だそうです。

ん? 取締役??

ここまでお読みいただいて「何で?」と疑問が沸いた方、、、なかなかの会社法通と見ました。そうなんですね、何で元社長が取締役の戻れるのか、、、そこが問題です。6/26の定時株主総会では取締役5名の選任を決議しましたが、元社長は入っていませんので、取締役を退任されているはずですよね。にもかかわらず、8月になって返り咲き。おいおい、って感じです。

継続会の開催

同社は定時株主総会の継続会を予定しており、この継続会が終わって任期満了。たぶんそういうことですね。だから今のところは取締役のままということになります。特別調査委員会の調査結果も踏まえて継続会を実施、これをもって退任というシナリオでしょうか。

ただ、ここまでトップの異動、二転三転してきている同社のことですからね。継続会で追加の取締役選任の決議して、元社長は取締役を継続する、、、なんてのもありますかね。ないか。

クレアホールディングス(1757)(その2)

株主であるセノーテキャピタルが、株主総会の招集請求をクレアHDに対して行ったにもかかわらず、その後遅滞なく株主総会の招集手続きが行われないため、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集しようとしている。というお話。その2です。

セノーテキャピタルの請求の内容

今回の臨時株主総会を開催し、決議しようとしている事項は「(議題1)定款一部変更の件(商号の変更)」と、「(議題2)取締役6名選任の件」となっています。こうしたケースでは取締役の選解任の要求が定番かと思うのですが、今回はどうなんでしょうね。

このセノーテキャピタルというか正確にはオリオン1号投資事業有限責任組合が株主です。で、このオリオン1号は今年2月に第三者割当により株式を取得した先なんですね。わずか半年ほど前に出資をお願いした先から株主提案を受けることになったという訳です。

対するクレアHDは

8/17のお知らせでは、セノーテキャピタルの提案に対して真摯に向き合い、取締役候補者との面談や提案されている事業計画等の検証を行い、臨時株主総会招集に向けて準備を進めているとの主張になっていますが、、、。

のらりくらりと時間をかけつつ、実は、他の株主に対する多数派工作(プロキシーファイト)を展開中だったりするんでしょうか。

オリオン1号投資事業有限責任組合

この名前で調べると、2014年にフード・プラネットという札幌の企業に投資してますね。おそらくこのケースも第三者割当だと思われます。その後、この企業、いろいろと問題を起こしたのち、2017年に上場廃止、破産申請という結末を迎えています。

クレアHDへの出資は20円以下。その後一部を売却しているようですが、3倍くらいにはなってるでしょう。このファンドは第三者割当等で安く仕込んで、会社に新事業等の話題を提供、株価が上昇すれば売り抜けるってスタイルですかね。

クレアホールディングス(1757) 株主による臨時株主総会の招集許可申立て

クレアHDは8/17、臨時株主総会の招集を請求していた株主により、東京地裁に臨時株主総会の招集許可申立てが行われた旨を公表しました。今年1月には、レオパレス21においても村上ファンド関連といわれる株主との間で同様の事件がありましたね。

クレアHD

よく分からない会社です。本社の所在はコロコロ変えるし、社名も何度も変わってます。キーイングホームとか千年の杜なんて社名の頃は存在くらいは知ってましたが。毎期、赤字を垂れ流して、株価は5月辺りまでは20円台。直近で100円近辺。デイトレーダーさん御用達銘柄ですかね。

臨時株主総会の招集

クレアHDを取り上げるというよりは、臨時株主総会招集の一連の流れを確認するのが目的で書いてます。何が起きているかというと、まず議決権の3%以上を6カ月以上保有する株主、セノーテキャピタルが臨時株主総会の招集を請求しました。7/9のことです。

この請求に対し、クレアHDは当該株主の意見に賛同するかのような意見を表明しながらも、臨時株主総会招集を最終決定しません。8/7に途中経過なるお知らせは開示したものの、やはり招集することなく、ダラダラと時間をかけていました。

そこへ、8/17、東京地裁から株主総会招集許可申立事件に係る書類の送達を受けた。という流れです。この日のお知らせの中では、招集に向けて前向きにいろいろと準備を進めてきたのに、「裁判所へ申し立てた当該株主様の真意を量りかね困惑しております」などと表現されています。

当該株主が株主総会の招集請求をクレアHDに対して行ったにもかかわらず、その後遅滞なく株主総会の招集手続きが行われないため、裁判所の許可を得て、自ら株主総会を招集しようとしてきた。。。というのがここまでの流れです。全て会社法が定める手続きに則っています。長くなってしまったので、続きは明日にでも。