ユー・エム・シー・エレクトロニクスは12/24、同社に対し、同社が虚偽記載のある有価証券報告書等を提出したことで売却損等の損害を被ったとして、損害賠償を求める訴訟が提起されたことを公表しました。大阪府在住の個人投資家からの提訴のようです。
提訴の概要
虚偽記載のある有価証券報告書等を提出したことで、99,664,929円の売却損の損害を被ったとして、その損害賠償を求めているとのこと。売却損としていますから、同社の株式へ投資していて、有価証券報告書等の虚偽記載が発覚、株価が下落したことで損失を被ったということでしょう。
このところ有価証券報告書等の虚偽記載等は増加していて、課徴金が課されるケースをよく見ます。が、虚偽記載をしていた企業に対する投資家による訴訟というのはあまり見ませんでしたね。過去には西武鉄道やライブドアで争われた事例がありました。
金商法第21条の2
有価証券報告書等に虚偽記載をした者の損害賠償責任については、金融商品取引法第21条の2に規定があります。この規定は、有価証券を購入した投資家が、不実の記載のある有価証券報告書等を参考にした場合、その不実の記載があったことにより不測の損害を負うことになりうるため、このような投資家に対する救済手段を設けたものです。
虚偽記載により損害を受けた投資家は、有価証券報告書を届け出た会社に対して損害賠償請求をできます(今回のケース)し、役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役など)や、虚偽の記載等がないと証明した公認会計士や監査法人に対しても損害賠償請求が可能です。
この規定以外に、不法行為責任(民法709条)により損害賠償を求める方法もあるようですが、同社による開示ではそのあたりまでは分かりません。今回の開示では大阪の個人投資家、、、ですが、おそらくこの訴訟は集団訴訟になるんでしょうね。