トランプ関税ショックで株価暴落 新NISA等で投資を始めた皆さんへ

自動車関税や相互関税など、矢継ぎ早に関税を表明・実行するトランプ氏。世界中の株式市場が暴落することとなりました。4/7には東京市場も日経平均で一時3000円近く下げました。ブラックマンデーやリーマンショック、新型コロナショックと色々見てきましたが、今回はそれらを上回るインパクトです。

新NISAは長期投資

新NISAがスタートし、初めて投資の世界に入った方、あれからすでに1年以上経過したのかな。当時の株価から見てもすでにかなりの評価損が出ていると思います。結論から言うけど、長期投資なんだから絶対損切なんてしないでくださいね。3年に一回くらいのペースでこうした急落場面は来るものです。

積み立て等の長期投資がなぜ上手くいくかというと、だれも手が出せないような急落場面でもコツコツと買い付けを行うからです。長期投資なんですから、「ここで買ってみよう」という選択はありだけど、「怖くてしょうがないからとりあえず損切りしちゃおう」なんて選択はくれぐれもしないように。

ゲームチェンジ

とはいえ、全世界関税合戦ともなってっくると、戦後確立されてきた自由貿易という面で最適化されてきた基本ルールが強制終了されることになります。そのインパクトが世界同時株安を招いているわけです。そう簡単に元の世界には戻らないでしょうが、関税に制限を受けながらでも、必ず経済は新しい世界で復活すると思います。

現時点で投資家として最も気持ちが楽になる選択が損切りです。最も気が楽になる選択こそ多くの投資家が陥る失敗であり、その逆を選択する投資家が成功する。投資の世界で不変なことはこの心理なのです。新投資家、ガンバレ!

日経平均株価 4,450円安 NISAショック?

8/5、日経平均株価は31,458円、前日比4,451円安の暴落となりました。下げ幅ではもちろん過去最大。下落率で見てもいわゆるブラックマンデー翌日の14.9%に次ぐ12.4%となりました。ただ、この日に至るまでに既に3,000円以上下げてますからねぇ。ブラックマンデー超えといってもいいかも。

暴落の原因

まぁ、いろんなことが言われてます。米国の景気後退懸念と金利低下、日銀による利上げと、これらにより誘発された予想を上回る円高の進行などなど。米国株価の好調に乗じて円安が進み、円キャリートレードで加速していた日本への資金流入が一気に逆回転してしまいました。

こうした株高の背景にあったのが新NISAのスタート。株式市場では新しい制度や取引が開始されるとき、開始に向けて気運が高まり上昇し、開始された途端に下げに転じる(好材料出尽くし)といった事例をたくさん経験してきました。今回で言うとその好材料が新NISAだったと思われます。

国が税制を優遇し、国民の資産形成を推し進めるという政策に多くの投資家が誘導されてきた結果、日経平均は大きく上昇してきました。新NISAスタートで実際に巨大な資金が市場に流れ込んだのは事実ですし、それをあてにした外国人買い等も強烈に買ってきました。

皆が強気になった時

こうして市場参加者が全員強気になった時、下げが始まります。ブラックマンデーもリーマンショックも市場関係者として見てきましたが、詳細な下げのメカニズムは違うものの、このセオリーは一緒です。さらに、これらの暴落場面と比べても、今回の下げは強烈ですね。

新NISAスタート直前の日経平均は33,500円程度、TOPIXは2,360ポイント程度。そこからの上昇分をすべて吐き出してしまいました。政策にに煽られる格好で新NISAを始めた方には非常にお気の毒ですが、相場ってそういうものなんです。

ただ、NISAという制度は長期保有が前提。今回の暴落は単なる通過点と考え、一喜一憂されませんよう。ここからは安いところが買えるわけですから。