大阪ガス 子会社の大阪ガスマーケティングで景品表示法違反行為?

大阪ガスは3/28、「エネファーム販売における不適切行為についてのお詫びとご報告」を公表しました。100%子会社である大阪ガスマーケティングの社員が、エネファームを推奨するにあたり、他社製品との比較で景表法に触れるであろう資料提示を行っていたということです。

不適切行為の概要

大阪ガスマーケティングの社員が、給湯機器の購入を検討している顧客に、エネファームを設置した場合の光熱費試算と、エネファーム以外の給湯機器を設置した場合の光熱費試算の比較による、光熱費低減メリットの試算金額を誤認させるような資料提示を行っていたとのこと。

当該資料は、エネファームとエネファーム以外の給湯機器を設置した場合の光熱費試算において、本来同じ年月のガス・電気料金単価で比較すべきところ、エネファームの光熱費低減メリットが大きくなるよう、異なる年月の単価を設定していたといいます。ちゃんと意図して作成されており、不適切行為ではなく不正ですね。

社内調査によると、この不正行為に関与した社員は25名。資料を提示した相手先顧客は919顧客だとのこと。同社では当該不正行為は景品表示法違反の可能性があると認識し、すでに消費者庁に報告したとしています。

判明の端緒は

この不正行為、どのようにして発覚したのかは公表されていません。顧客からの問い合わせや苦情によるものなのか、自社の広告審査によるものなのか、親会社の広告審査によるものなのか。消費者庁からの問い合わせや指摘により、っていうのが一番濃いかな。

RIZAP(ライザップ) 不当表示で消費者庁が措置命令

消費者庁は8/9、「RIZAP株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について」を公表しました。景品表示法に違反する行為(優良誤認)や、ステルスマーケティング告示が認められたとして、措置命令を行ったということです。

RIZAP

RIZAPグループは、パーソナルトレーニングジム「RIZAP」やコンビニジム「chocoZAP」などのRIZAP関連事業を中核に据え、インターネット通信販売、生活雑貨、アパレルなど様々な業態に展開する札証アンビシャス上場企業です。今回問題視されたのは同社が運営する「chocoZAP」。

不当表示の概要

小規模無人ジム「chocoZAP(チョコザップ)」のサービスを、実際には利用時間が限られるのに24時間利用可能かのように広告表示したとして、消費者庁は景品表示法違反(優良誤認など)で、再発防止などを求める措置命令を出しました。

さらに、依頼して対価を支払ったことを明示せずに、利用者15人の感想を1~3月にかけ、自社ウェブサイトに表示したと。これも、ステルスマーケティング(ステマ)だとして景品表示法違反(その他の不当表示)と認定したようです。

このやり過ぎ感、いかにもRIZAPらしいなぁって感じ。この会社、事業展開など、とにかく勢いはすごいんですが、企業が求められる様々な要素について鈍感というか、バランスが悪いんですよね。以前、そうしたことが仇になって潰れそうになったことも。今回はどうでしょうね。

中国電力 景品表示法違反で16億円の課徴金

公正取引委員会は5/28、「中国電力株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について」を公表しました。家庭用の電気料金プランを巡り、2022年4月から23年1月までの間、実際よりも安くなるかのように自社のウェブサイトなどで表示していたということです。

違反行為の概要

先日、中部電力の課徴金に関する記事を書きましたが、今度は中国電力です。規制料金プランよりも自由料金プランの方が安価になるかのように、自社のウェブサイトやパンフレットで表示していました。しかし、実際には燃料費の変動を反映させる「燃料費調整額」などによって、規制料金プランよりも自由料金が安くならない場合があったということです。

この件、昨年8月に景表法が禁じている「有利誤認」の表示に当たるとして、再発防止や消費者への周知徹底などを求める措置命令を同社に出していました。そして今回、16億5594万円の課徴金納付命令が発出されたという流れ。

返金手続き

有利誤認表示は課徴金制度の対象で、不当な表示に伴う売上高の3%が課徴金として課されるそうです。同法に基づく課徴金命令額としては過去最高です。いやぁ、これデカいですね。

中国電力は28日、記者会見を開き、顧客への返金手続きを開始したと明らかにしたそうですが、これ、一件ずつ計算して払い戻す手間も半端ないですよね。この費用はどれくらい発生するんでしょう。

消費者庁 飯田グループホールディングス他4社に景品表示法に基づく措置命令

消費者庁は3/1、「飯田グループホールディングス株式会社ほか4社に対する景品表示法に基づく措置命令について」を公表しました。5社が供給する注文住宅の建築請負について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(優良誤認)が認められたということです。

飯田グループホールディングス

飯田グループホールディングスは戸建分譲事業、マンション分譲事業、請負工事事業とこれらに関連する事業を行う住宅分譲大手。戸建分譲の年間販売数は4万棟程度。特に東北、関東、東海エリア、沖縄県などで高いシェアを持つ、パワービルダー大手。東証プライム上場企業です。

違反行為

自社ウェブサイトやポスティングチラシ、メール、看板等において、「飯田グループは皆様に選ばれて3冠を達成いたしました」、「土地情報が豊富な注文住宅会社 第1位」、「高品質なのにローコストな注文住宅会社 第1位」、「初めて住宅を建てる方におすすめの注文住宅会社 第1位」等の表示を行っていました。

ところが、この表示の根拠となっている調査が客観的な調査方法ではなく行われており、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であるとの誤認を与える可能性があるという指摘です。調査会社が悪い、みたいだけど、いかにもそんなこと承知の上でやってるよ、って感じするけど。

同社は同日「注文住宅広告に関するお詫びとお知らせ」を公表し、「お客様をはじめ、関係者の皆さまにご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。」としていますが、どうなんでしょう。謝って済むなら警察は要らん、と言いますよね。