SHIFT 当社における新型コロナウィルス感染者の発生について

4/6、東証一部上場企業のSHIFTは、同社の本社に勤務する社員1名が新型コロナウィルス感染症検査の結果、陽性であることを4/4に確認したと公表しました。新聞やニュースで役職員の感染が判明した企業名が伝えられることはありますが、TDネットで正式に開示する企業は初めて見ました。

適時開示情報

このところ新型コロナウィルスに関する開示は結構頻繁に行われているんですが、それらはいずれも新型コロナウィルスの感染拡大による事業への影響や、対策としての店舗や工場の一時休業や生産調整などを伝えるものでした。社員が感染したことを開示するかどうかの判断、結構難しいですよね。

開示された内容もかなり詳細に書かれてます。情報が正しく伝わらない状況を回避し、いわゆる風評被害を受けないためにあえて公表した、という同社の判断が行間からもうかがえます。良い会社ですね。kuniはこの判断を支持しますね。

感染された社員の方は、発病した日(発熱が確認された日)から出社しておらず、そこから6日目にPCR検査陽性が確認されています。ここからがちょっと引っ掛かるところなんですが、保健所の調査により濃厚接触者ゼロ、勤務していた業務スペースについても消毒の必要なしという判断だったようです。

多くの企業では発病した日より遡って調査

国立感染症研究所の「新型コロナウィルスの感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」を改めて読んでみました。「濃厚接触者」の定義は、「患者が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である」と書かれています。

「発病した日以降」ですから、発熱した朝から出社せず、、、という場合は濃厚接触者は同居家族だけということになるんでしょうかね。だから職場関係の濃厚接触者ゼロ。発病後は出社してないから、オフィスの消毒不要なんでしょうか。ココって疑問です。多くの企業が通常、発病した日から2週間くらい遡って調査することにしてるんじゃないでしょうか。。。謎です。

ちなみにSHIFTさんは同社の判断で専門機関と連携し消毒作業を実施したそうです。

新型コロナウィルス 温暖化ガス急減とデータソリューション

昨日の日本経済新聞、まぁ新型コロナウィルスの話題がテンコ盛りでした。っていうかほかの話題を探すのに苦労するくらい。そんな中で二つの話題が気になりました。新型コロナウィルスの世界的流行で温暖化ガスの排出が急減しているという話題と、感染防止対策としてのデータソリューションの話題です。

温暖化ガス急減

確かにそうですよね。航空便は相次ぎ欠航してますし、工場は停止、外出禁止や自粛で自動車も減ってます。記事では中国の2月の温暖化ガス排出量が前月比25%減少したと伝えていました。社会や経済が完全にマヒして、青い空が戻ってきました。

新型コロナウィルスについては、人間が自分勝手に生活圏を拡大し、地球を自分たちにとって都合の良い環境に作り替えてきた反動である、といった論調をよく見かけます。温暖化ガスの急減という話題を見て、地球による自己浄化が始まったんだろうか、、、と考えさせられます。。

まさか最も小さな生物にここまでやられてしまうとは、って感じですね。(ウィルスは正確には生物ではないらしく、「非細胞性生物」だとか「生物学的存在」などと分類されるそうです。)

ヤフーのデータソリューション

とまぁ、うなだれてちゃダメですね。もう一つの話題は人類が最も最近手に入れたビッグデータの活用という新技術の話題です。政府が協力を呼び掛けていた利用者データの提供に、ヤフーが応じることになったというニュースです。

ヤフーでは100を超えるサービス(検索やメディア、ECなど)があり、月間5000万人が利用しているそうで、日本最大級の膨大なデータ量とバリエーションを誇っているとのこと。このデータをAIで分析した結果が政府に提供されるんだと思われます。

もちろん、個人を識別できないよう配慮されるはずですが、このデータを利用して、感染拡大やクラスターの発生をどんなふうに阻止していけるのか。中国のように個人の行動まですべてを管理、規制していくことはできませんが、この新技術、期待したいですね。

新型コロナウィルス 軽症者受け入れにメルパルク はどう?

東京都は新型コロナウィルスに感染した人のうち、軽症者の一時滞在施設として、ホテルなどを棟ごと借り上げて充てる方針を固めました。重症者向けの病床を確保するための施策であり、適切な判断かと思います。そこで提言。日本郵政さん、メルパルク東京の提供を提案すればどうかな。

メルパルク東京

メルパルク東京は日本郵政が保有する複合施設ですが、シティホテルと同等の設備を備えています。客室数は120室くらいあるようです。場所は港区芝公園、、、浜松町からもすぐです。そしてなにより、都心ながら周囲に緑が豊富で、規制線を張るのも容易です。

投資信託や保険の不正販売問題で社会からの信用を失った日本郵政グループ。失墜した信用を回復するため、メルパルクの提供を政府に申し出たらどうかと。そう思うんです。ただ、施設の運営権はワタベウェディングが持ってるみたいなので、ちょっと調整は必要ですかね。

今のところ病床数が喫緊の課題になっているのは東京くらいかもしれませんが、いずれ大阪や名古屋へも波及するでしょう。メルパルク、東京以外にも大阪市、名古屋市、横浜市、、、など全国11都市に展開しています。

かんぽの宿

都市ばかりではありません。観光地(地方)にはかんぽの宿だってあるじゃないですか。これも提供できればかなりの社会貢献ができると思いますよ。金融商品の販売態勢の建て直しも急務ではありますが、まずは国民からの信用を取り戻すべきではないでしょうか。

政府にとっても

日本政府にとっても、日本郵政が信用を取り戻すことは大歓迎のはずです。信用を回復し、業績を向上させ、株価を回復させる。政府保有株を高く売るため、政府も協力を惜しまないんじゃないかな。

「まずはメルパルク東京を提供したい。その他の自治体からも、要請があればかんぽの宿の提供についても、前向きに検討したい」。どう?こんな会見。

新型コロナウィルス 「もっと検査を」 の落とし穴

新型コロナウィルスの猛威、止まるところを知りませんね。もうコロナの件はあまりニュースとかチェックしてもしょうがないので、このところほぼスルーしてました。と、そこへこの記事のタイトルと同じ記事を週刊ダイヤモンドで見付けたのです。非常に分かりやすく書かれています。

医療現場の崩壊を回避

これまで、日本が他国のように検査を増やさないことについて、批判的な意見がSNSなどでも多く見られました。検査で陽性となったら、ハイ入院、、、みたいなことやってたら、病院のベッドはすぐに一杯になってしまい、本当に治療が必要な重病者への対応ができなくなってしまうから。

kuniもこれくらいのレベルでしか考えていなかったんですね。もちろん、この考え方も間違いではないんでしょうが、そもそも検査の限界の問題があって、有病率がそれほど高くない集団に対しては、むしろ検査は危険な結果を招くことがあるようです。

野放図な検査増加で開く「地獄の釜」

これまた刺激の強いタイトルですが、これも同記事のサブタイトルです。有病率が高くない集団に対する検査は、的中率が下がってしまうこと。そうすると見逃しや濡れ衣を増加させる。本当は感染しているのに、検査で陰性となった人は、安心して感染源として街中に繰り出し、感染を拡大してしまう。

検査を意味なく渋っているのではなく、自宅での経過観察や医師による診察などにより、検査対象をフィルタリングする。こうすることで有病率の高い集団ができ、検査の陽性的中率を高めているんだそうです。う~ん、言葉だけでうまく説明できないな。

専門的な用語がたくさん出てきますし、図表もあった方が良さげ。なので、ここではこれ以上の説明は避けますが、「ほー、なるほど」と納得させてくれる良い記事だと思いました。まだ本屋さんに並んだところだと思います。週刊ダイヤモンド2020/04/04号でご覧ください。

デジタルシフトの好機に 大阪大学准教授 安田洋祐氏

3/25の日本経済新聞の記事、「経済収縮どう臨む(4)」で登場された阪大の準教授、安田洋祐さんのご意見がなかなか良かったんです。専門は戦略的な状況を分析するゲーム理論。主な研究テーマは、現実の市場や制度を設計するマーケットデザインだそうです。

トイレットペーパーやマスクの品不足に対して

1980年生まれといいますから、まだ40歳くらいですか。写真も若くて格好良いです。いろいろなご意見を披露されていましたが、その中でも一番気に入ったものを以下に引用します。トイレットペーパーやマスクの品不足への対策です。

「個人の道徳に訴えるのではなく、仕組みを変えることで解決できる。例えば在庫が回復するまで小売価格を定価の2倍にしてはどうか。それだけでは小売店が不当に稼いでいるとして消費者の評判が悪くなる。これを防ぐため、値上げ分を新型コロナウィルスで困っている人に寄付する工夫をすればよい。配給制にすると不必要な人に配られるなど非効率な部分もある。市場機能を生かす方策が望ましい。」

どうでしょう。なかなか斬新ですよね。一度試してみたくなります。こういうのをマーケットデザインと言うんでしょうね。世の中には頭の良い人がいるもんです。上記の回答も含め、日経記者からの5つの質問に答えていますが、ほかの回答もkuniはなかなか気に入りましたよ。

オイルショックとコロナウィルス

もう一つだけ引用しましょう。「オイルショックで日本の省エネが一気に進んだように、新型コロナをきっかけに日本企業の古い部分が一気に変わると期待したい」。これまたおっしゃる通りだと思います。まだ他にも紹介したいのですが、日経さんに訴えられちゃうのでこの辺りで。

続きは是非日経を買って読んでください。電子版であれば過去記事もビシバシ検索できますので(たまには日経の宣伝もしておきます)。安田准教授、2002年に東大経済学部を卒業。最優秀卒論賞を受賞し、卒業生総代を務める。その後5年間プリンストン大学へ・・・って、すごい人みたいです、この先生。