昨日の記事で疑問に思ったこと。新型コロナウィルスの対応における「濃厚接触者」の定義です。「濃厚接触者」の定義は、「患者が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である」というヤツですね。調べてみると妙なことが分かりました。
実施要領 3月12日版
この定義は国立感染症研究所の「新型コロナウィルスの感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」に書かれています(以下実施要領といいます)。最新版の実施要領は3月12日版です。以下に定義を引用します。
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
- 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
- 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
- 患者(確定例)の気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
- その他:手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状などから患者の感染性を総合的に判断する)
2月6日版
この実施要領は、感染者の拡大に合わせるように内容が更新されていってるんですが、2月6日版まで遡ると、定義が変更されていることが分かりました。以下、2月6日版から相違する部分の引用です。
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
- 新型コロナウィルス感染症が疑われる者と同居あるいは・・・
- 適切な感染防護無しに新型コロナウィルス感染症が疑われる患者を診察・・・
- 新型コロナウィルス感染症が疑われる者の気道分泌液若しくは・・・
・・・以降は変更なしです。3月12日版では、3ヵ所で「新型コロナウィルス感染症が疑われる者」が「患者(確定例)」に変更されているのが分かります。
発病後ではあるものの、検査陽性確定前までの期間の描写のため、「新型コロナウィルス感染症が疑われる者」と表現したんでしょうが、これが誤解を招いたかもしれませんね。しかし、あくまで「発病した日以降の接触」なんだなぁ。朝起きて熱などの症状を自覚した社員は、絶対出社させてはならないということですね。