架空循環取引が判明 共和コーポレーション

昨日の適時開示に、「当社における不適切な取引の判明に関するお知らせ」というのがありました。企業名は、共和コーポレーション(6570:東証2部)です。初めて聞く会社、バッティングセンター、ボウリング場、アミューズメント施設を長野県中心に運営する会社のようです。

架空循環取引

またまた不正な会計ですか。架空循環取引だそうで。普通は架空取引と循環取引、別々に使用される言葉だと思ってましたが、同社は架空循環取引という使い方をしていますので、これに倣います。

昨年12月中旬に、同社の取引先アーネスト(大阪)が破産し、そのアーネストとの取引の一部において架空循環取引の疑義が生じたようです。これを受けて既に第三者委員会を設置して調査を継続中とのこと。取引先の倒産、、、循環取引が発覚するパターンの一つですね。

で、昨日の開示は、第三者委員会の調査により、アーネストとの取引の一部に架空循環取引が存在するなどの事実が判明したため、この事実を開示したもの。第三者委員会の調査報告書は2月13日に受領予定としています。

アーネストは同社の中古ゲーム機の販売先であり、破産申立て時の債権は、売掛金1億4200万円です。ゲーム機はアーネストに販売したけど、買付け代金が回収できなくなったということですね。ところがこの取引には販売したはずの中古ゲーム機(ブツ)は存在しなかったということになります。

この1億4200万円、全額が架空循環取引ではないかもしれませんが、一方で、同社とアーネストの取引は過去4年間で約16億円といいますから、架空循環取引の総額はもっと大きくなる可能性もありそうです。

定番のコメント

同社の現時点でのコメントです。「第三者委員会では現時点において、当社がアーネストを架空循環取引に利用したという事実は認められておらず、当社社員が架空循環取引に関与した事実も認められておりません。」、、、ん~、最近よく見るコメントだなぁ。

ネットワンシステムズ 循環取引 新たに富士電機ITソリューション みずほ東芝リース

昨日の朝日新聞デジタルがまた新しいニュースを伝えていました。東芝ITサービス、ネットワンシステムズ、日鉄ソリューションズによる架空取引(循環取引)において、新たに2社が関わっていたことが判明したとのこと。富士電機ITソリューションとみずほ東芝リースです。

新たに判明した2社の概要

富士電機ITソリューションは、富士電機の子会社(91.1%出資)です。わずかみたいですが、富士通も株主のようですね。直前2019年3月期の売上は736億円で14.5億円の利益を出しています。

一方のみずほ東芝リース、初めてリース会社が登場しましたね。こちらはみずほリース株式会社が株式の90%を握っています。みずほリースはみずほ銀行が23%出資しているという関係。みずほ東芝リースの2019年3月期の売上は882億円で41.5億円の利益を出しています。

本日のマスコミ報道に関して

みずほ東芝リースの方は、親会社のみずほリースが、早速朝日の報道に対するコメントを発表しています。

昨年11月末ごろ、取引の相手方より、取引の実在性に疑義があることが判明した旨の連絡を受け、外部法律事務所を起用して内部調査を実施したようです。その結果、当該取引が実態のない架空の取引であったことを認識していたことを示す事情は認められていません。という内容です。

これで全部?

ここまで判明した5社は、ネットワンシステムズを除き、それぞれ上場一流企業の子会社・関係会社です。やはり子会社のガバナンスって難しいんですね。それにしても、朝日の報道で気になるのは、「少なくとも5社が関与」という書きぶりです。まだまだ拡大するんでしょうか。