西華産業 従業員の不正行為 (その2)

税務当局からの照会を受け、社内調査を実施し、約1億円に及ぶ金銭騙取の事実が確認された西華産業100%子会社の日本ダイヤバルブ。既に刑事および民事の手続きを進めています。ここまでは前回書きましたが、大事なことが抜けています。

なぜこんなことが起きたのか

社員の金銭騙取の事実(結果)だけを警察に通報して事件を片付ける。だけではなく、なぜこのような不正が発生したのか。ガバナンスやコンプライアンスの検証は?社員がそこまで追い詰められた原因は?親会社による子会社管理の実態は? 

そうしたことを恣意性を排除して調査、検証し、再発防止に努める。他社では当たり前のように行われている〇〇調査委員会による調査と再発防止策など、この一連の対応はどこに行ってしまったんでしょう。西華産業としての子会社管理、かなり疑問が残りますね。

日本ダイヤバルブの実態

日本ダイヤバルブという会社、その実態が気になるところ。以下に読者の方からいただいたコメントを。

【いただいたコメント】

同社のある部署では残業時間が100~200時間近い部署が存在している。本来であれば異常な事態ではあるが、上司に当たる人間が何時間残業をしても平気な人間である事、また、経営陣も「あそこの部署はしょうがない」と思っている事から、一向に就業環境が良くならない。

更に、上司からの勤務時間の改ざん、休日出勤の強制といった異常行動も数多くあり、それらが原因で退職者を出している。世間一般で言う所のパワハラだ。しかし、同社としてはそのような事態を重く受けて止めてはいない。非常に重大な問題ではないかと感じている私が異常者のようだ。

今日も大崎にある日本ダイヤバルブには、明かりの消えない部署が存在している。

日立金属 品質不正を受け 社長ら5人引責辞任

先月末、発覚した検査不正に関し、外部の専門家から構成される特別調査委員会を設置して調査を行っていた日立金属ですが、5/27、社長ら5人の引責辞任を公表しました。日立製作所出身の西山光秋会長兼最高経営責任者(CEO)が6月から社長を兼任するそうです。

検査不正の経緯を復習

2020年1月、安来工場において製造する特殊鋼について、品質に係る不適切行為が行われている旨の情報提供を受け、一部において不適切行為が行われていたことを確認しました。

同じ1月、今回新社長になる日立製作所の西山光秋・執行役専務兼最高財務責任者(CFO)が、日立金属の会長兼最高経営責任者(CEO)に就く人事を内定したと報じられました。就任は4月1日付です。

4月27日、当社(日立金属)及び子会社の一部製品における検査成績書への不適切な数値の記載等について、という検査不正に関する公表が行われています。特別調査委員会もこの時点で設置を表明。今もなお調査は継続中です。

日立の子会社管理

こうして一連の流れを確認してみると、検査不正を把握した1月時点で、日立としては日立金属の経営陣の更迭を決めており、実質的なすべての権限は日立から送りこまれた西山氏が握っていたということでしょうね。

20年3月期の決算発表に合わせて、検査不正が行われていた部門の責任者(社長含めて5名)を辞任させることも既定路線ということのようです。

佐藤執行役社長、渡邉執行役常務、長谷川執行役、平野執行役、平木取締役の5名が5/31付で辞任、または退任となっています。プロパーの社長に代わって親会社の専務が社長兼会長に。日立としても何が何でも建て直して、早く売らねば、、、なんでしょうね。果たして現場がついてくるかどうか。