ネットワンシステムズ 外部調査委員会 調査報告書~ガバナンス・企業文化の観点から~

ネットワンシステムズは3/18、「外部調査委員会調査報告書~ガバナンス・企業文化の観点から~」を公表しました。架空取引や水増し取引により同社の資金を流出させ、これを還流させて着服していた事案の原因分析・再発防止策に関する報告書ですね。

調査報告書

① 内部統制・内部通報・企業文化の視点からの分析
② 三様監査の視点からの分析
③ 過去調査を踏まえた再発防止策の不徹底という視点からの分析
④ 経営陣によるガバナンスの視点からの分析

調査報告書では上記4つの視点から発生原因を分析しています。2013年、2014年、2019年と不祥事を発生させておきながら、今回4度目の2020年事案ですからね。気になるのは、過去の経験が現在の同社にどのように活かされていたのか、です。

報告書ですから問題点や課題ばかりを取り上げるわけですが、はっきり言って何も活かされていませんね。再発防止策に限りませんが、あれだけの経験をしてきたわけですから、組織のあちこちに進化した形跡くらいはありそうなものですが。けど、なさそうです。

ガバナンス

それで止めはやはり経営陣ですね。報告書では「リスク管理体制の構築・運用に係る『他人事』の姿勢」と表現されていました。リスク管理体制の脆弱性を認識しながら、その是正のための取組みを行っていないと。やっぱり経営なんですよ、企業は。

1年前に当ブログで、「会長、社長、常務執行役員、3人の役員報酬自主返上について、全員、『10%減給1か月』ですと。これだけ世間を騒がせておいて、ずいぶん軽く見積もりましたね。」などと書きましたが、報告書でもこの場面取り上げられてました。

2013年事案と同等の処分案ということで10%減額としたらしいですが、実際には同事案の処分は30%減額だったそうです。つまり事実と異なる説明で10%に決定していたようです。取締役会決議事項がこれですからね。

五洋インテックス 前社長が3,500万円持ち逃げ?

不適切な会計処理に加え、会社を乗っ取られたり、有価証券虚偽記載で課徴金を命じられ、東証特設注意市場銘柄に指定されてしまった五洋インテックス。6月に全取締役、全監査役を刷新、やっとまともな経営陣に、、、と思いきや、従業員が会社に貸した金が行方不明。

外部調査委員会

昨年7月、同社の従業員が連結子会社に3500万円を貸付けていた(昨年3月)ことが発覚。このことを調査するため、10/20には外部調査委員会を設置しました。早いもので既に2カ月以上経過しました。調査対象からみるとこれくらいの期間があれば十分なような気もしますが。。。

12/1には臨時株主総会開催予定日の変更に関するお知らせを開示。当初12月の上旬としていた開催予定日を、1月下旬に変更したとのこと。この約2か月間の時間稼ぎも上記調査のためのものなんでしょうか。

前社長が使い込み?

ここにきて前社長による資金の使い込み疑惑、持ち逃げといったうわさや一部報道まで聞こえてくるようになりました。元社長は中国に逃げてしまっているとかも。しかし、この3,500万円、会社の窮状を見かねた社長室勤務の女性社員が会社への資金支援を申し出たものらしいです。

って、これホントですかね。当時仕手筋やらの絡みの経営者たちですよね。そんな会社に勤め続けるだけでも気持ち悪いのに、お金まで貸しますかね。それも100万、200万じゃないですよ、3,500万です。どう考えても不自然(そこに男女関係でもない限り)。不思議な事件です。

ひらまつ 外部調査委員会調査結果(その2)

大晦日の本日は、外部調査委員会の調査報告書を読んで感じたことなど、ダラダラと書いて、2020年の投稿を終えようと思います。ワードプレスの統計データによると、今日で開設以来866日間の連続投稿記録だそう。てな具合に、上手いこと煽てられて続けちゃうんですよね。

創業者による訴訟の内容と請求金額

① 業務委託契約に基づく業務委託報酬として、3億3,707万円
② 事業譲渡契約の解除に基づく原状回復として、2億4,416万円
③ ひらまつ株式の譲渡代金として、6億6,400万円

調査報告書より

昨日も書きましたが、報告書では当時の代表取締役とCFOについて、「平松氏との師弟的人間関係の中で勤務してきた人物」と書いていました。これ気になります。他にも、それまでの業務委託契約の解約を通知することになるプロセスで気になることが。

経営アドバイスを受けていたアドバンテッジアドバイザーズとともに、有能な経営人材の外部招聘を検討していた際、創業者である平松氏の社長復帰も検討されていたそうです。アドバンテッジアドバイザーズが平松氏の暴走を制限する覚書の締結を要請したことで破談となったようですが。

これが2019年8月のこと。その4か月後の12/24、運営業務委託契約等の解約の通知が行われています。その結果が冒頭の訴訟へとつながりました。創業者である平松氏は本気でひらまつの建て直しを考えていたんでしょうかね。

調査結果を受け、、、平松氏に操られてきた愛弟子たちは結果的に追い詰められ、責任を取らされることになりそうです。弟子は師匠と仰ぎ、、、師匠は弟子を金儲けの道具に、、、でしょうか。高級フレンチ運営会社に起きた非情な事件です。

一年間お読みいただきありがとうございました。では、皆さん良いお年を。。。

ひらまつ 外部調査委員会の調査報告書を公表

ひらまつは12/28、外部調査委員会の調査報告書を公表しました。同日が再延長後の四半期報告書の提出期限でしたが、こちらは提出できず。東証はいわゆる監理銘柄(確認中)に指定しました。1月12日までに四半期報告書が提出できないと上場廃止です。

カウントダウン

外部調査委員会の調査報告書は受理しましたし、お知らせによると訂正が必要になる期の財務諸表本表の作成は完了しているようです。ひらまつ総研への資金流出に関する監査証拠として十分な関連証憑類が要求されているようですが、残る8営業日でなんとか提出にこぎつけられるでしょうか。

調査結果の概要

創業者の平松氏がひらまつ退任後に設立・運営しているひらまつ総研とのあいだで、京都の2店舗の譲渡に関連して、2つの業務委託契約を締結していたんですが、これが取締役会の承認を経ていない。この業務委託契約、業務委託の名目で2店舗の譲受に必要な資金をひらまつ総研に還流させる目的がありました。

さらに、当該2店舗の譲渡代金を将来的に280百万円減額する旨の覚書も締結していました。これも取締役会の承認を経ていないし、2つの業務委託契約、覚書ともに会計監査人に秘匿して財務諸表を作成していたということです。こうなると当然、創業者から同社を引き継いだ、当時の経営陣の経営責任の追及ということになってきます。

創業者との関係

報告書では当時の代表取締役とCFOについて、「平松氏との師弟的人間関係の中で勤務してきた人物」と書いています。会社経営自体についても平松氏の指示を仰ぎ、その意向が尊重され続けたと。「事業承継の失敗」とも書いてますね。

今回の調査結果は、あくまでひらまつ側で行った調査であり、平松氏およびひらまつ総研からは調査協力が得られてないとのこと。片面的な調査結果ではあります。長くなったので今日はこれにて。

ネットワンシステムズ 外部調査委員会の調査報告書受領

ネットワンシステムズは12/14、従業員による資金流用の疑義及び原価付替の疑義に関する外部調査委員会から調査報告書を受領したことを公表しました。個人情報や機密情報保護の観点から修正を加え、可能な限り速やかに公表するとのこと。

14日に受領、16日に決算発表

なんとまぁ窮屈な展開になってしまいました。14日に調査報告書を受領し、決算書類を修正して監査法人の四半期レビュー。速攻で16日には四半期報告書の提出ということになりそうです。おそらく同日に調査報告書も公表されるんでしょう。

先日、「ぎりぎりまで引っ張っての開示っていかがなものか」、、、みたいなことを書きましたが。今度は、調査報告書の受領と決算発表を同時にするのではなく、まず受領した旨を開示しましたね。この方が良いと思います。

15日と16日の株式市場参加者は「ある程度の確度で提出期限に間に合いそうだ」と考えて対処できます。もちろん、これでやっぱり間に合いませんでした、、、では話になりませんが。

アクセス増加

当ブログのネットワンシステムズに関する記事へのアクセスが最近増加してきていたので、そろそろ動きがあるかとは思っていましたが、外部調査委員会の委員の皆さん大変だったでしょうね。相当急がされたと思います。お疲れさまでした。

ということで、昨日の開示では資金流用についても、原価付替についても調査結果は一切公表されず。今回で4回目でしたっけ、不正・不祥事等に関する公表。さてさて、16日、どんな結果が公表されるのか、、、。