米国の内部告発 報奨金が過去最高を記録

米証券取引委員会(SEC)が2020会計年度(19年10月~20年9月)に告発者に支払った報奨金、なんと1億7500万ドル(約180億円)。前年度比3倍で過去最高を更新だそうです。報奨金を受け取った人数は39人で、これも過去最高です。

報奨金制度

2010年のドッド・フランク法という法律の中でこの制度が拡充されたそうです。内部告発をきっかけにSECの捜査が進み、企業に100万ドル超の制裁金や利益返還が科されると、告発者に総額の10%~30%が支払われるというもの。

不正の案件とともにその報奨金額を伝えられた例として、5000万ドルを受け取った内部告発者がいるらしいです。日本円で50億円超ですよ。また、最近こちらも過去最高額を記録したそうですが、1人で1億1400万ドル(114億円超)の報奨金を受け取った人もいるとか。

こんなふうに内部告発で巨額の報奨金を手に入れる人が出てくるもんだから、米国ではこの内部告発者向けの内部告発者訴訟を支援するサービスまで登場しているといいます。

他にもあるらしい

ここまでの話は米証券取引委員会の話ですので、同委員会が携わる不正が対象ということです。ほかにも、連邦公務員を対象にしたホイッスルブロワー保護法、上場企業の従業員を対象にした企業改革法、不正請求防止法など、各分野ごとに内部告発者を保護する法律があるみたいです。

日本ではこうした報奨金制度はありません。金融関係では金融庁にディスクロージャー・ホットラインなどの各種通報窓口がありますし、証券取引等監視委員会には情報提供窓口なるモノが設けられていて、相場操縦やインサイダー取引、金融機関の不正などに関する情報提供を促しています。が、いずれもリスクを冒して通報しても見返りはありません。日本もそろそろ米国に倣うべきでしょうね。