今月から地域金融機関による人材紹介業務を後押しする新制度がスタートしました。人材紹介支援事業に参加する金融機関を公募していて、今月初に地銀や信用金庫など38事業者を対象に決めたとの報道がありました。地方企業に経営人材などを紹介すると、1件につき最大100万円が国から補助されます。
地域金融機関と人材紹介業務
以前当ブログで地銀の人材紹介について書いたんですが、その時はリストラする銀行員の再就職先を紹介するの?みたいなこと書いてしまいました。そういう実態もなくはないそうですが、実際のところ地域に根差す金融機関と人材紹介は非常に相性が良いんだそうです。
もともと地銀で働く人の多くは、地元社会を良くしたいとか、貢献したいという思いの強い方が多いと。そういう金融マンは融資先の経営者が最も悩んでいるのが人材に関する問題だということをよく理解しているとのこと。その最大の課題を解決するための人材紹介業は、地元の中小企業に貢献する最高のツールなんだそうです。
という話を元銀行員の知人から聞かされました。なるほど、確かに地元の中小企業の人材需要に詳しい地銀と、都会の求職者データを押さえている人材紹介会社が組めば、効率良い訳ですね。
なんで100万円?
政府が目指す地方企業の活性化や、金融庁が期待する地銀の事業モデルの変革。そこで金融庁は2年前に監督指針を改正し、銀行の人材紹介事業を可能にしました。先ほどまでの話が本当なら、多くの銀行が我先にと人材紹介業に打って出そうなもんです。
ところが地銀等の腰は重く、一部の地銀を除いてなかなか新しい事業に挑戦しようとしません。で、、、結局今度は紹介成功したら1件につき100万円という情けない施策を打つことになったということです。
この100万円施策、、、必要ですか?こんなきっかけまで作ってもらわないと決断できないような経営者というか、金融機関を支援する必要があるんでしょうか。正直言って非常に疑問です。