アパート等のサブリースに関する注意喚起について

別件で金融庁のホームページをチェックしていて見つけた、報道発表資料のタイトルです。10/26に掲載されてます。今年3月に公表していた注意喚起分のアップデート版のようです。

サブリースとは

サブリース契約というのは、サブリース業者がアパート等の賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げ、物件の管理を行い、一定の賃料収入を保証する契約のことです。おそらく名前くらいは聞いたことのある契約だと思います。

この契約を一番有名にしたのが、スマートデイズの女性専用のシェアハウス「かぼちゃの馬車」の事件でしょう。そう、スルガ銀行がこれに不適切な融資をつけていたというヤツです。スマートデイズのシェアハウスはビジネスモデル自体に問題があり、破綻したわけですが、サブリース契約そのものは、全国的にアパートローン等で使われています。

ここ数年、相続税の節税対策としてアパートローンは急激に残高を増やしてきましたが、その裏では「家賃が保証されたアパート経営」というサブリース契約が原動力になっていたということですね。

アパート等のサブリース契約を検討されている方は、契約後のトラブルにご注意ください

これが金融庁の注意喚起、添付ファイルのタイトルです。さきほど「家賃が保証された」と書きましたが、これは当初のお話であり、その物件の価値が変化することなどにより、保証される家賃が減額されることもあります。で、実際に賃料減額をめぐるトラブルが発生してるので、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してくださいよ、という注意喚起です。

要するにサブリース業者が説明責任を果たすことなく、あたかも30年間家賃が保証されるかのような説明で、契約を締結させているということですね。

サブリース住宅に入居する方は、オーナーとサブリース業者の契約内容を確認しましょう

続いて二つ目の添付ファイルのタイトルです。サブリース住宅の入居者は、オーナーとサブリース業者の契約終了等による不利益を受ける場合があるので、入居に当たっては、オーナーとサブリース業者の地位の継承に関する契約内容などを確認するようにしましょう。という注意喚起です。

どのような不利益があるのかは、実際にこの注意喚起をご覧いただくとして、こんなもん読んだら入居するのためらいますよね。「地位の継承に関する原賃貸借契約の内容」ってなんだ?と思いますし、正直、サブリース住宅は今後敬遠されていくと思います。そうなると物件の価値が下がっていくわけで、そのことでまた賃料減額に拍車がかかりそう。負のスパイラルです。

サブリースショック

サブリースショックみたいな社会現象までは起きないかな、って思ってました。しかし、なぜ金融庁が畑違いのサブリースに注意喚起を出したか。サブリース業者とつるんで、かなり過剰な融資を行っている地銀等の実態が見えてきたのかもしれませんね。今後、当局の指導により地銀等は融資をさらに絞り始めるでしょう。そこから始まるサブリース業者の破綻は、サブリースショックの引き金になるのかもしれません。