ユニデンホールディングス アクティビストが株主提案

ユニデンホールディングスは9/22、「株主提案に関する書面の受領のお知らせ」を公表しました。創業者との間で、もめまくっている同社ですが、今度は株主である LIM JAPAN EVENT MASTER FUNDからの株主提案を受領したとのこと。

株主提案

株主提案の内容は、① 取締役1名解任の件、② 監査役1名解任の件、③ 剰余金の処分の件となっています。解任対象の取締役は取締役会長(創業者の義弟)ですね。11月頃開催予定の同社臨時株主総会における議題に関する株主提案です。

監査役が次々と

実はこの開示に先立ち、同社では監査役の辞任が相次いでいました。8/6、常勤監査役1名が同日付で辞任しています。続いて9/6、常勤監査役1名(創業者の実弟)と社外監査役1名が辞任するという開示がありました。

で、このお二人の監査役は、アクティビストのLIM JAPAN EVENT MASTER FUNDが前回の定時株主総会で解任を提案していたお二人です。結果、解任には至りませんでしたが、同アクティビストが株主提案するに先立ち、一身上の都合により辞任すると・・・。

お二人の監査役は前回の監査報告で、取締役の不正会計に関する対応に関して、現経営陣たちが無関心すぎると物申しておられた方たちです。なぜこのタイミングで辞任?と思っていたんですが、アクティビストの主張に一貫性を持たせるために辞任という格好ならなんとなく理解できます。

創業者がアクティビストと組んで現会長を解任し、再び実権を手に入れるというシナリオが始まったのかもしれませんね。反旗を翻した義弟と創業者との確執ですかぁ。またドロドロが始まりますね。

天馬 ユニデン はるやま 株主総会の結果

当ブログで取り上げていた天馬、ユニデン、はるやま、いずれも6/29、株主総会が開催されました。3月期決算企業の株主総会は6/29にピークを迎え、全体の27.3%にあたる628社が開催したそうです。もめそうだった上記3社の結果をアップデートしておきます。

天馬

3社の中で、唯一開催結果を開示していました。会社提案の第3号議案である「監査等委員である取締役3名選任の件」と、株主提案の第4号議案である「取締役(監査等委員である取締役を除く。)3名選任の件」が否決され、他は承認可決されています。

要するに、監査役会や創業者元会長の提案が否決され、取締役会とファンドが書いた筋書き通りになっています。

ユニデン

ユニデンは「代表取締役の異動及び新社長就任に関するお知らせ」だけを開示しています。社長が会長になり、取締役CFOが新社長に就任。創業者が株主に対して、社長や取締役CFOの選任案に反対票を投じるよう書簡を送っていましたが、結果は会社提案が可決されたということのようです。

はるやま

現社長の取締役再任を巡って、大株主である創業家内の対立が起きていました。姉と父を相手に戦い、こちらも会社提案がすべて承認可決されてますね。同日開催の取締役会を経て、現社長は会長になり、新社長にはAOKIホールディングス出身の取締役が就任されています。

ということで、天馬で創業者サイドの提案が否決された以外、すべて会社提案が承認可決という結果になりました。ひとまずホッとしたというところでしょうが、創業者は一度や二度であきらめませんからね。まだ当分は目が離せない展開がありそうです。

ユニデンホールディングス やはり創業者が登場

6/18付け日本経済新聞の記事に、「ユニデンHD創業者、現社長らの選任反対」という記事が掲載されました。やはり創業者が登場しましたね。これを受けてユニデンHDも同日11:30に「当社に関して一部報道されております筆頭株主からの書簡の内容について」を公表しました。

おさらい

UAC(ユニデンアメリカ)、およびUAUS(ユニデンオーストラリア)で、収益を水増しするための不正会計が行われていました。そして、これに関する英語版調査報告書を日本語版に翻訳する際、経営陣の責任の所在等に関する記述を削除していたという事件が続きます。

この改ざんに関わっていたと思われる創業者である元会長は昨年10月に退任しているわけですが、元会長寄りの監査役が経営陣に監査報告で物申す展開に。これはきっと創業者元会長が動き出したのでは?と、想像していたところに、、、やはり登場されたというわけです。

創業者の主張

不正会計処理の対応を巡り、コーポレートガバナンス(企業統治)の改善が進んでいないことを理由として、株主に対して、社長や取締役CFOの選任案に反対票を投じるよう求める、というものです。

「場当たり的な経営計画や配当政策」や「在外子会社の内部統制の改善の不足」を指摘したうえで、「現社長が職責を果たしていない」として反対するよう求めているようで。監査役会の3つの主張のうち、CFOによる重要会議への出席妨害の件を除く2つの主張と概ね一致しているようです。

さぁて、本当に「天馬」や「ひらまつ」のような展開になってきました。今月29日開催予定の定時株主総会。投資会社のリム・アドバイザーズに加えて、筆頭株主でもある創業者までも相手にしていくことになります。(ちなみに今回の株主総会は「株主様のご来場をいただくことなく当社役員のみで開催」だそうです。)