7/30付け日本経済新聞の記事です。国内風力発電最大手のユーラスエナジーホールディングスは、風力発電所内にサーバーを設置し、データセンターの運営事業に乗り出すと発表した、というニュースです。京セラが北海道に再生エネ100%で稼働するデータセンターを作ってますが、発電所の中にというのは聞いたことがありません。
(株)ユーラスエナジーホールディングス
kuniは初めて聞いた名前の会社でした。豊田通商が60%、東京電力HDが40%出資して2001年に設立された資本金181億円の会社です。事業内容は「風力および太陽光発電事業」となっています。従業員は366名になってますね。社名のユーラス(Eurus)はギリシャ神話に登場する「東の風の神(エウロス)」に由来するものだそうです。
エネルギー供給と環境負荷低減を両立するという社会ニーズに対応するため、日本、米国、欧州の3地域を中心に、数多くの風力発電事業を展開している会社です。2008年からは太陽光発電事業にも参画しています。
CGレンダリングサービス実証事業を開始
ユーラスが実証事業を開始するのは、同社がテキサス州に持つブル・クリーク風力発電所内に、コンテナ型サーバーセンターを設け、クラウドベースのCGレンダリングサービスの提供を行うというもの。サービス開始は2020年1月を予定しています。
CGレンダリングが必要とする膨大なコンピューティングパワーを、再生エネルギーにより給電しようということですね。同社のホームページも見ましたが、コンテナ型って、本当に一般貨物輸送や海上輸送に使われるコンテナなんです。コンテナを増やすことで柔軟な拡張も可能とのこと。
再生エネの地産地消
クラウドコンピューティングサービスでCGレンダリング機能を提供する。つまり、膨大な電力はサーバーが置いてある発電所で作られるわけで、まさに再生エネの地産地消が実現します。ユーザーは僅かな電力と一般的なパソコンで良いわけですから助かります。
日本における再生エネのネックになっているのが、送電線の確保です。洋上風力発電等で発電したとしても、その電力を人口密集地に送る送電線が足りないんですね。パソコン等のインターネットに接続して使用される端末が消費する電力は、このクラウドコンピューティングサービスで送電不要にすることが可能ということです。
今回はCGレンダリングで実証するわけですが、企業の基幹システムなんかもクラウドに移行していってる時代です。可用性やセキュリティなど課題はあると思いますが、これらも再生エネ電力発電所内データセンターへ、、、という時代が来るかもしれません。そうなるとその需要は膨大ですよ。