「すべての電力を再生可能エネルギーで供給する鍵は地中にあり」というレポートを読みました。ここでいう地中とは、地熱エネルギーを指しています。「地熱発電で米国の電力の20%を賄えるという試算が環境系シンクタンクによって発表された」と伝えています。
シンクタンク「ClearPath」
クリーンエネルギーの推進を目指す保守系シンクタンク「ClearPath」が5月に作成した報告書だそうです。これまで米国で地熱発電が注目されなかったのは、推進のための優遇措置が取られてこなかったからだとも言ってます。風力発電や太陽光発電では30%の税額控除があるが地熱は10%だそうです。
他にも、地熱エネルギーを得るための掘削に必要となる環境関連の相当面倒な承認プロセスも、普及を妨げてきた理由の一つとしてあげられています。他にも、水圧破砕法という方法での掘削には、地震が発生するリスクもあるとか。実際に韓国で起きてるようです。ただし、報告書は何の障害もなく得られるクリーンエネルギーなど存在しない、と言ってますけどね。
「増感型熱利用発電」の開発に成功
そんなこともあって調べものをしていたら、「増感型熱利用発電の開発に成功」というニュースを見付けました。「太陽電池では光エネルギーにより生成した電子を利用するが、この電池では熱エネルギーにより生成した電子を利用する」と説明されています。この発電装置を熱源に埋めて、回路のスイッチをオンオフするだけで、熱エネルギーで直接発電が可能とのこと。この熱源というのが50℃でいいというのが、これまた凄いところです。
地熱発電では地下水を水蒸気化し、タービンを回して発電します。今回開発された増感型熱利用発電では、熱源に埋め込むだけでその新型熱電発電素子から電流が取り出せるという優れものです。地熱発電にも使えますし、工場等から排出される排熱の有効利用にも使えそうです。
この研究は東京工業大学と三櫻工業(6584)によるもので、プレスリリースを出した7/18から3日間で、三桜工業の株価は36.8%上昇しています。その後、元の株価水準に戻ってしまいましたが、この技術が実用化できるかどうか、、、期待したいと思います。