6/23 日本経済新聞の記事です。サブタイトルとして、「相次ぐ不祥事で守りのガバナンス、内部監査との連携密に」と続けられています。カルロス・ゴーン元会長が監査役のチェック機能を排除しようとしていたことについて、ガバナンス改善特別委員会の報告書は「うるさい監査役については再任しなかった」とか「何も言わない監査役を探してこいと言われた者もいる」などと報告しているそうで、そこから強い監査役を。と言ってるようです。
社長直属の内部監査部門の問題点
記事のタイトルの「取り戻せ」って誰に言ってるのかって感じなんですが、、、おそらく企業に対して言っているということですかね。内部監査部門と監査役を連携させることで、チェック機能を向上させるみたいなこと言ってますし。けど、普通どこの会社でもこの連携は重要視してると思います。
記事では論点があっちこっちに行ってしまっていて分かりにくいですが、内部監査部門が社長もしくは執行サイドの役員直下の組織になっているケースが9割以上となっている、と言ってます。これを否定的に捉えているんですね。社長やその役員が悪さしている場合は、内部監査部門が機能しなくなると。そこへ、ある有識者は監査役に内部監査部門の指揮権を持たせるべきとも言ってます。
内部監査部門と監査役の関係
日本監査役協会によると、「監査役会は経営者の指揮下にある内部監査部門等に対して、直接指揮する権限を有しない」ということです。海外向けに日本独特の制度である監査役を説明する際にそう言っています。経営者の指揮下にあることを前提としていますので、そうでなければこの限りではないのでしょうが。
監査役もしくは監査役会の直下に内部監査部門をぶら下げる組織ってのは、kuniもまだ見たことがありません。しかし、取締役会で決議して、監査役会が内部監査部門を直接指揮できるようにすることは可能と思われます。
ということで、今回注目したこの記事では、監査役と内部管理部門の連携というか協働について、日産自動車を題材に主張していました。実は2015年の東芝の調査報告書でも同じようなことが書かれていす。再発防止策の一つとして、「内部監査部門は社長やCFOを統括責任者とせず、経営トップからの独立性を確保すべきである」と書かれてたんですね。
あれからもう4年になりますが、また同じようなことが起きてしまったわけです。経済産業省が今月公表予定の企業統治の新指針でも、「監査役への報告を優先させる規定を設けるのが望ましい」という原則が設けられるという話もありましたね。次のコーポレートガバナンス・コードの改正でも、この辺りがどんなふうに取り込まれるのか。注目されます。