兜町の風雲児 中江滋樹がひっそり死んでいた

兜町の風雲児と呼ばれた投資ジャーナル元会長、中江滋樹氏がひっそり亡くなっていました。2/20、葛飾区の自宅アパートの火災で、焼け跡から変わり果てた姿で見付かったそうです。kuniが証券界に入った年の前年には詐欺容疑で逮捕されていましたが、それまでの勢いは凄かったんです。

加藤あきら 中江滋樹

2016年12月、これまた兜町の風雲児と呼ばれた仕手筋、整備グループの元代表、加藤あきら氏が亡くなっています。75歳だったそうです。そして中江氏もあっけない最期を迎えたんですね。66歳だそうです。

投資(というより投機)に対する考え方が違っていたような気がしますが、二人とも日本の投資顧問業のはしりですね。そして二人ともバブルが弾けるところまでの美味しい時代を謳歌した後、ひっそり消えていきました。一時はおそらく何百億というお金を動かしていた、ある意味日本の市場の中心にいた人たちですが、最期は本当にあっけないものです。

同じ日、野村證券は

バブルが弾け、金融商品取引法が施行され、証券取引等監視委員会も番人として機能する現在の市場では、彼らのような需給と資金力に頼った仕手戦はもう成り立ちません。本来あるべき資産運用の時代の到来に合わせるかのように、彼らが亡くなっていくのはまさに時代の交代を表しているようで・・・。

中江滋樹氏が亡くなった第一報(警視庁の公表日)は2月25日でした。同じ日、野村證券は国内で初めて、信託報酬を0%とする投資信託を設定することを発表しています。とうとう野村が動いたと言われる、これも資産運用の時代到来を象徴する出来事です。非常に対照的なニュースを同じ日に見せられ、複雑な気持ちでした。

※ 仕手筋(してすじ)とは
人為的に作った相場で大きな利益を得ることを目的に、巨額の投資資金で大量に投機的な売買を行う人やグループのことを指します。また、仕手筋が投機の対象にした銘柄を仕手株と言います。仕手というのは能に由来する言葉です。