歩行者の交通事故 歩行者優先への切り替え

滋賀県大津市で、散歩中に交差点で信号待ちをしていた保育園児たちの列に、普通乗用車と衝突した軽自動車が突っ込んで、2人の園児が亡くなり、9人が重傷を負うという悲惨な事故が起きてしまいました。5/8の出来事です。

4月中旬には、池袋で時速100キロ以上のスピードで暴走し、次々と人間を轢き、2人の母子が死亡、8人が重軽傷を負った事故もありました。暴走した車の運転手は87歳の高齢者です。また、ほぼ同じ時期に、神戸三宮で神戸市営バスが暴走し、2人が死亡し、6人が重軽傷を負うという事故も起きています。こちらの運転手は64歳だそうです。

歩行者に優しくない日本

今年1月に「平成30年中の交通事故死者数について」という記事を書きました。その中で触れたように、2018年の全国の交通事故による死者は前年より162人少ない3,532人になり、過去最低を更新中です。

ダイヤモンドオンラインの記事「歩行者の死亡事故ダントツの日本、ドライバー厳罰化で解決できない理由」を読みました。この記事では、実は日本の歩行者は、他の先進国より自動車事故の犠牲になりやすい、ということを言っています。

人口10万人当たりの交通事故死者数では、日本は先進国水準といえるものの、その死者数のうち、歩行中に事故に巻き込まれて亡くなった人が37.3%を占めるという現実があるんだそうです。これは、他の先進国よりもかなり高い数字です。つまり、他の先進国ではドライバーや同乗者の死者が多く、日本では事故に巻き込まれた歩行者が多いという事実です。ただ、もちろんこの数字には、歩行者自身に過失がある場合も含んでいると思われますが、、、。

このデータの正確性を議論する必要はないでしょう。最近報道される事故を見ていると、歩行者を保護する新たな政策は必要だと思われます。

事故が起きることを前提とした歩行者保護

自動ブレーキなどの技術が搭載され、事故を起こさないための対応はとられてきましたが、そろそろ、それでも事故は起こるんだという前提での議論を始めるべきだと思います。ドライバーの高齢化は止められませんし、日本人のドライブマナーも低下を続けているようです(もちろん、マナーを改善するための努力は必要でしょうが)。そうした事実をまず受け入れなければなりません。

車優先で作られてきた道路や歩道、まずは歩行者優先にいったん頭を切り替えてみましょう。歩行者に負担となる歩道橋の廃止、歩道の徹底整備など、いろいろな施策が考えられるんじゃないかな。と思います。