アルコニックスは12/4、同社の連結子会社において不適切な会計処理が行われていたことを公表しました。これまで社内で調査を進めてきましたが、外部専門家を委員に含む特別調査委員会を設置するとのこと。棚卸資産の架空計上のようです。
アルコニックス
創業時の社名は日商岩井非鉄販売株式会社。日商岩井、つまり現在の双日の子会社としてスタートした会社ですね。アルミニウム、銅の製品を主体にした非鉄金属の販売会社です。その後、社名を日商岩井アルコニックス株式会社に変更、2005年から現在の社名に変わっています。
今回不適切な会計処理が発覚したのは、連結子会社で銅管等伸銅品の販売を行うアルコニックス三伸株式会社。この子会社は2008年4月に設立されています。
不適切な会計処理
開示された情報によると、アルコニックス三伸の従業員により、複数年にわたり棚卸資産を架空計上し、利益を積み増す等の不適切な会計処理が行われていたことが、2020年11月中旬に、同従業員の告白により発覚したとのこと。
棚卸資産の架空計上で、売上原価を抑え利益を大きく見せることができます。社内調査で判明している情報では、現時点における影響額は約250百万円だそうです。今年同じ手口が、小倉クラッチ、理研ビタミン、UMCエレクトロニクスなどで発覚しました。
一部上場時の財務諸表に影響?
開示されている情報では、「複数年にわたり」と表現されているだけで、不適切な会計処理が行われた期間は特定できません。同社の設立が2008年。その2年後の2010年12月には親会社のアルコニックスが東証第一部に上場しています(二部からの指定替え)。
この一部への指定替えの際の審査に、今回の不適切会計が影響を与えていた可能性もあります。ハイアス・アンド・カンパニーの件で見たように、「上場市場の変更申請時の宣誓書において宣誓した事項について、重大な違反を行ったおそれがある」、ってなことで監理銘柄(審査中)に指定などということも、、、ありうるわけです。