イオンフィナンシャルサービス クレジットカード「イオンカード」の不正利用 被害額99億円

イオンフィナンシャルサービスは3/13、同社のクレジットカードである「イオンカード」のオフライン取引を悪用した不正取引が昨年から相次ぎ、その被害総額が99億円に上ったことを公表しました。

イオンフィナンシャルサービス

イオンフィナンシャルサービスは、クレジットカードや割賦販売あっせん、融資(カードキャッシング、各種ローン)、銀行業、保険事業など、幅広い金融サービスを国内、アジアで展開するイオン系の総合金融グループ会社です。直近のカード有効会員数は5138万人だそう。もちろん東証プライム上場企業です。

事案の概要

被害は昨年春ごろから急増していたそう。フィッシングサイトで盗まれたカード情報が、スマートフォン上の非接触決済サービス「Apple Pay iD(アイディ)」に登録され、不正な決済に使われていたといいます。数万人のカード利用者が被害に遭い、その被害総額が99億円になったとのこと。

現在は既に、「各種対策に取り組み、新たな被害発生の抑止が図れております」ということですが、この「抑止」ってなんでしょう。数万人規模ではなくとも数百人規模なら発生しているってこと?

同社からの開示は、この件に絡み特別損失を99億円を計上するという決算に関する開示のみ(上記の現状に関する記述もこの開示の中で)。最も重要なカード利用者に対するお詫びやご案内がありません。報道では被害者への補償を進めているとのことですが、不正利用への対応の遅さ、顧客対応への配慮不足など、企業としての姿勢が問われる事案です。

三菱UFJ銀行 貸金庫窃盗事案に乗じた不審な電子メールに注意呼びかけ

三菱UFJ銀行は、「当行貸金庫取引を装う不審な電子メールにご注意ください」と、同社ホームページで注意喚起しました。11/22に公表した、元行員が貸金庫から4年半にわたって客の資産を窃取する事案が発生し、被害総額が時価十数億円程度とみられるとした件に関するものですね。

注意喚起

同行貸金庫取引を装って電子メールを送付し、メールを受信された顧客をまったく関係のない虚偽のページにアクセスさせ、暗証番号などの重要な情報を入力させることにより、個人情報を取得するという不審なメール(フィッシング詐欺)が送信されているとの報告を受けているとのこと。

現時点では、同行からメールにて貸金庫取引に関する連絡はしておらず、貸金庫取引に係る不祥事についての相談等は専用フリーダイヤルに問い合わせるよう促しています。

悪党って

しかしまぁ、悪党らはよく考えるものですね。「エッ、私の貸金庫は大丈夫かしら?」という不安につけ込んで、フィッシングメールで偽ページへ誘導し、IDや暗証番号等を入力させる。そして顧客の口座からお金を抜き取るという手口。こういう機敏な発想と行動、もっと他のまっとうなことに使えよ。

警察もこういう輩への捜査・検挙、もっと力入れてやってくれないかなぁ。匿名・流動型犯罪グループの捜査で忙しいと思うけど。

ストレージ王 フィッシング詐欺で銀行口座から7,600万円が流出

ストレージ王は11/20、「当社における資金流失事案の件」を公表しました。、悪意ある第三者による虚偽の指示に基づき銀行口座の電子送金に必要なID とパスワードが不正に取得され、同社の銀行口座より資金を流失させる事態になったとのこと。

ストレージ王

ストレージ王は、トランクルームを開発し収益不動産として投資家に売却する開発分譲事業と、開業後のトランクルームを運営管理する事業を手掛けています。その他の不動産も扱うようです。2010年設立の東証グロース上場企業です。

事案の概要

開示を見て、最初はビジネスメール詐欺かと思いましたが、送金ということは書いてないのでどうやらフィッシングメール詐欺のようです。

銀行を騙ったSMS等のフィッシングメールを通じて、インターネットバンキング利用者を銀行のフィッシングサイト(偽のログインサイト)へ誘導し、インターネットバンキングのIDやパスワード、ワンタイムパスワード等を入力させることで、その情報を窃取して、預金の不正送金を行うって手口。

事案発生の翌日には詐欺にあったことを認識したようですが、お金はすでに抜かれていたようです。おそらく経理の従業員が騙されたんだと思いますが、皆さんの会社でもお気を付けください。金融庁のHPで未然防止の心得などが掲載されていますのでご参考に。

NTTドコモ フィッシング詐欺で総額1億円の被害発生

NTTドコモは10/2、「『NTTセキュリティ』などを装ったフィッシングSMSや不正なアプリによるドコモオンラインショップでのApp Store & iTunesギフトカード等の不正購入発生について」を公表しました。

フィッシング詐欺の概要

悪意のある第三者が、「ドコモお客様センターです。ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。ご確認が必要です」、などと記したフィッシングSMSを顧客へ発信。

SMSに記載されたURLのリンク先から、「NTTセキュリティ」、「NTT DOCOMOセキュリティセンター」を装った不正なアプリのインストールおよびネットワーク暗証番号の入力を促すことで、顧客の意図せぬ決済が発生する事案が確認されたとのこと。

ドコモオンラインショップにおいてApp Store & iTunesギフトカード等が不正に購入され、身に覚えのない決済による被害が確認されています。10/1時点で被害に遭った顧客は約1,200人。被害金額は約1億円だそうです。

悪意のある第三者

なんだかよく分からない事件ですね。顧客はドコモオンラインショップで必要のない買物されたので被害は被害ですが。悪意のある第三者はどうやって利益を得たんでしょう。不正に購入されたギフトカード等をどうやって手に入れるのか。

ギフトカードの受け取りには、指定の住所まで配送するパターンとEメールで贈るという方法があるのかな。不正なアプリが作動して受取先を悪意のある第三者宛に変更してしまうんでしょうか。この事件、kuniにはよく分かりませんでした。もちろん暗証番号がほかで使われる可能性はあるでしょうが。

ドコモからの上記のようなSMSに関して、身に覚えのある方はいらっしゃいますか?「0120-613-360(24時間・年中無休)」で相談を受け付けてるみたいです。なお、ドコモは顧客の被害額全額を補償するとしています。

ダイワボウホールディングス 今度は子会社で個人情報流出

架空取引でダイワボウ情報システムが関与し、旧ダイワボウノイでも循環取引等の疑義が出てきて特別調査委員会を設置したダイワボウホールディングス。今度は子会社の従業員がフィッシングメールにひっかかり、顧客情報など500件強が流出した可能性があるそうです。

ダイワボウアドバンス株式会社

その子会社はダイワボウアドバンス。ChampionやFILA、Hanesとかのブランドを取り扱っているカジュアルウェア製造販売会社です。少し前の出来事でホームページでは9/30のお知らせになってます。これが特別調査委員会設置を開示した日と同じ日というのは何か意図があるんでしょうか。

被害にあったのは今年8/27~9/11の間にインターネットで注文した顧客と、同社からメールで連絡をした顧客だそうです。500件強と表現されてます。流出した情報には、氏名、住所、電話番号、メールアドレスの個人情報が含まれていたとしていますが、クレジットカード情報や預金口座情報は含まれていないとのこと。

事の経緯

主語はないんですが、おそらく同社の社員がフィッシングメールを受信。このメールを閲覧した社員が正規のサービスと誤認して偽サイトにアクセス、パスワードとメールアドレスを入力してしまったようです。

典型的なパターンにひっかかったわけですが、それでも2時間20分後に正規のサービスではないことに気付き、パスワードの変更など、必要な対処を行っています。このお知らせの時点では、顧客情報が外部で悪用されたという情報はないようですが、、、。

2時間20分で対処、、、した割には、「お詫びのお知らせ」までに時間がかかりすぎですよね。で、ダイワボウノイに関する特別調査委員会設置の開示の日にお知らせ、、、ってのもやっぱり気になります。