ネットワンシステムズ 最終報告書

3/12 ネットワンシステムズが納品実体のない取引に関する調査、最終報告書を公表しました。2月には一旦、中間報告書を公表しています。今回は調査の過程で新たに発覚した原価付替取引について追加調査の結果を報告するということになっていました。

架空循環取引

架空循環取引に関しては、中間報告書で概ね明らかにされていました。そのため、最終報告書では「調査の結果」の中で、「本調査において発見された本不正行為以外の不適切な取引」が2ページほど追加され、「本不正行為発生の原因分析」と「再発防止策」が20ページほど追加された格好になっています。

中間報告の段階でもあった記述ですが、気になるところ。。。「正式なネットワンシステムズ 購買部からの注文書が届いたら、別の注文書と差し替えるように依頼し、発覚しないよう画策していた」、といった記述が何度も見られること。

要するに、ネットワン以外の架空循環取引関与企業の担当者に依頼して、注文書や見積書などを差し替えさせていたということなんですね。普通に考えれば他社の担当者も不法な行為をしている認識があったはずです。ところが今のところどの企業も「当社は巻き込まれただけ」ですからね。

原価付替取引

一方、原価付替取引に関してもわずか2ページの記載だけでした。一応2つの取引が説明されているんですが、どちらも5千万円程度の案件なので、調査委員会も力を入れなかったんでしょうか。それとも、、、プレスリリースにはこんな記述が。「プライバシー保護及び機密情報保護等の観点から、部分的な非開示措置・匿名化を施しています」。

そうそう、プレスリリースでは、会長、社長、常務執行役員、3人の役員報酬自主返上も公表していました。全員、「10%減給1か月」 ですと。これだけ世間を騒がせておいて、ずいぶん軽く見積もりましたね。

2/13 ネットワン、ダイワボウ情報システム 2/14 東芝の公表 を受けて アップデート

2/13にネットワンシステムズが「納品実体のない取引に関する調査 中間報告書」を公表したところまでは、当ブログでもお伝えしました。その後、日本経済新聞が、ダイワボウ情報システムも絡んでいたことを伝え、ダイワボウは日経の記事の誤りを指摘。また、東芝も調査結果を公表しました。

6社目はダイワボウ情報システム

ネットワンシステムズが主導した一連の架空循環取引に、ダイワボウ情報システムも関与していたことを日経が伝えました。2014年度から2016年度に合計50億円の売上高を架空計上していたという内容です。

ネットワンの中間報告書では関係する企業名は一切伏せられていたんですが、、、これ誰がリークしたんでしょう。ネットワンの上層部だとしたら酷い話です。報告書の上ではきれいごとを並べて、甲社、乙社なんて書いておいて、裏では他社の社名平気で出してるわけですからね。

で、翌日の適時開示ではダイワボウHDが、架空の売上は50億円ではなく、約7億円であると公表しています。金額はまぁともかく、日経が書いたら翌日すぐに調査結果を公表って、、ここまで知ってて隠してきたわけで、、、これまた残念な話です。

東芝も決算発表に合わせて公表

東芝も調査委員会を設置して調査していたようで、2/14、決算短信と一緒に調査結果を公表しました。2015年11月から2019年7月までの間に24案件、435億円の架空売上を計上していたとのこと。架空のエンドユーザーはやはり官公庁です。

担当者等の取引への主体的な関与や、主導してきたネットワンの某氏との共謀についても否定しています。また、報告書では見つからないんですが、新聞等が伝える会見の記事では、「一連の取引には東芝ITを含め、9社が関与していた」とされています。芋づる式公表はまだまだ続きそうです。