分かってるようでよく分からない 米国の債務上限問題

このところイエレン米財務長官は6月5日にも政府の資金繰りが行き詰まると警告していましたね。その後、5/31、債務上限停止法案が下院で可決され、デフォルト回避に前進、、、というニュースが。6/2には上院でも可決され、債務不履行(デフォルト)が回避されることになりました。

債務上限問題とは

債務上限に関する交渉がもつれ、米国債の格下げにつながったりして米国経済のみならず世界経済が大混乱に陥るなんてこともありました。それゆえ今回もかなり注目を集めてきたわけですが、そもそも債務上限問題って何?なんでこんなことが問題になるの?って、感じですよね。

連邦政府ができる借金の上限(発行できる国債などの総額)は法律で定められており、これが債務上限と呼ばれるものです。米国の会計検査院によると、債務上限として具体的な額を定めているのは、米国とデンマークの2カ国だけなんだそう。

日本には上限の定めなし

その他の多くの国では、債務残高の上限を国内総生産(GDP)比で何%という形で定めているようですが、日本では債務上限が定められていません。そのため、日本人にとっては債務上限問題って、いまひとつ肌感覚がなく、よく分からないモノになってしまうんですね。

毎度毎度散々もめながら、最後には妥協して上限の引き上げが行われる(1960年以来、上限は78回見直されているらしい)わけで、債務上限の規定なんか撤廃すればいいのに。と思うんですが、やはりそうした議論も実際にあるようです。

もちろん、際限なく債務を膨らませないように一定の規律を、というのは理解するんですが、そのために世界中を巻き込んで、金融市場まで大混乱させる政治ゲームは、、、勘弁してほしいものです。