仮想現実が拓く世界 VRの可能性

5/22付日本経済新聞の特集「ディスラプション」で「他者に変身 心まで溶かす 第2部仮想現実が拓く世界(3)」が掲載されました。VR(仮想現実)技術で外見が変わると、実際の行動や心の動きが別人のように変わるという内容です。

プロテウス効果

記事ではVRゴーグルを付けて、自分自身のアバターを見ながらダンベルを持ち上げる実験を紹介していました。筋肉質のアバターを選択して実際にダンベルを持ち上げると軽く持ち上げることができ、ひ弱な体格のアバターに変えると、同じ重さのダンベルのはずが一気に重く感じるんだとか。

こんなふうに、見た目が変わることで、本当に自分が違う自分になれるという効果をプロテウス効果と言うんだそうです。プロテウス効果の仕組みはあくまで思い込みであり、人間は自分がどんな存在かを身体や服装などの見た目で決めている部分が多いとしています。

服装を変えることで気分が変わる、なんてのはずいぶん昔から言われてきましたし、そうすることで自分を変えていこうとする人も多いと思います。VRの世界ではもっとその可能性を広げることが出来そうです。VRの世界で自分の殻を破り、才能を開花することができる。まさにVチューバーの世界ですね。

記事ではほかにもVRによるプロテウス効果を使って、人種差別の解消に役立てようという取り組みも紹介していました。見た目を変えることで別の誰かの視点に立つ。そのことで社会問題の解決に役立つということです。当然こういうことを商売のヒントに事業を起こす人も出てきますよね。VRの可能性を感じさせるお話でした。

VR(バーチャルリアリティ)

最初に書いとけばよかったんですが、VR(バーチャルリアリティ)について少し整理。VRとは、「現物、実物(オリジナル)ではないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系(ウィキより引用)」だそうです。

作り出す技術、つまり装置として最も早く提供され、現在世界シェアトップなのが、ソニーのPlayStation VRです。プレステというゲーム機に接続して使用するタイプのゴーグルですね。他にも、ゴーグルにスマホを取り付けて使用するタイプのもの、パソコンに接続して使用するタイプ。そしてゴーグル単体でPCやスマホといった機器を必要としないタイプがあります。いずれもゴーグルを頭から被って使用します。

価格の方もスマホをセットして使用するタイプが数千円程度で提供されているのに対し、PCにつなぐタイプでは10万円超のものまで様々です。VRを体験できるアトラクションなんかも増えてきましたし、kuniもそろそろ購入してみたいと思っているところです。