ダイナミックプライシング(DP) AIによる需要予測

このところやたらと目にすることが増えてきたダイナミックプライシング。先日はビックカメラが導入を決定したというニュースが流れていましたし、日経ではイーティゴというタイの会社のオーナーへのインタビュー記事が組まれていました。この会社のアプリを使うと、時間帯によっては10%~50%の割引でレストランンが利用できるんだそうです。

意外に歴史のあるダイナミックプライシング

需給に応じて価格を変動させるダイナミックプライシング。意外と歴史は古くて、航空券やホテルの宿泊料ではかなり昔から採用されてきました。閑散期にはお安く、繁忙期にはびっくりするくらいぼったくられるあれです、あれ。あれもダイナミックプライシングです。

ここにきて新たに導入する業界や企業が相次いでいるとのこと。AI(人工知能)による需要予測を使うことで、よりきめ細かく価格を変動させることができるようになたのが要因のようです。冒頭で書いたビックカメラもそうで、対面販売の全直営店舗で全商品に電子棚札を設置し、本部から一括して価格を変更できるようにするというものです。

他にも、プロ野球の楽天イーグルスが観戦チケットの価格を変動させているとか、Jリーグやユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどでもダイナミックプライシングを導入しているといいます。そういえば、東京オリンピック開催期間中の夜の首都高を半額に、なんてニュースがありましたが、首都高なんかも渋滞状況に併せて料金変更とかするようになるんですかね。

利用者の目線で

お客さんがなかなか来てくれない時間帯は値下げしてくれる、そんなサービスは消費者としても大歓迎ですね。お客さんが来る、来ないに関係なくお店は固定費がかかっているわけで、それならお客さんに来てもらって、いつもの半分の利ザヤでも売った方がお店側も得なわけです。kuniは去年証券界を引退して、時間をある程度自分のペースで使えるようになったので、世のサラリーマンが使いにくい時間帯でもOK。どんどん値下げしてくださいって感じです。

こんなふうに、お客さんを呼びにくい時間帯に価格を下げて、来店を促す方は良いんですが、逆に繁忙な時間帯はどうでしょう。お店側としては当然価格を引き上げたくなりますよね。経済学的に言うとこの行為も合理的な行為のはずです。しかし、消費者としてはこれは許せませんよね。

リチャード・セイラーというノーベル経済学賞を受賞した偉い人によると、基準となる価格(定価と考えていいと思います)よりも価格が上がった場合、消費者は「弱みに付け込まれた」という印象を持ち、不公正と感じるんだそうです。

ダイナミックプライシングを導入する企業も、この消費者の感覚は十分留意していると言いますが、どうなんでしょうね。温泉旅館の土曜日とかの休前日料金なんて、、、kuniはまったく納得しませんけどね。

仮想現実が拓く世界 VRの可能性

5/22付日本経済新聞の特集「ディスラプション」で「他者に変身 心まで溶かす 第2部仮想現実が拓く世界(3)」が掲載されました。VR(仮想現実)技術で外見が変わると、実際の行動や心の動きが別人のように変わるという内容です。

プロテウス効果

記事ではVRゴーグルを付けて、自分自身のアバターを見ながらダンベルを持ち上げる実験を紹介していました。筋肉質のアバターを選択して実際にダンベルを持ち上げると軽く持ち上げることができ、ひ弱な体格のアバターに変えると、同じ重さのダンベルのはずが一気に重く感じるんだとか。

こんなふうに、見た目が変わることで、本当に自分が違う自分になれるという効果をプロテウス効果と言うんだそうです。プロテウス効果の仕組みはあくまで思い込みであり、人間は自分がどんな存在かを身体や服装などの見た目で決めている部分が多いとしています。

服装を変えることで気分が変わる、なんてのはずいぶん昔から言われてきましたし、そうすることで自分を変えていこうとする人も多いと思います。VRの世界ではもっとその可能性を広げることが出来そうです。VRの世界で自分の殻を破り、才能を開花することができる。まさにVチューバーの世界ですね。

記事ではほかにもVRによるプロテウス効果を使って、人種差別の解消に役立てようという取り組みも紹介していました。見た目を変えることで別の誰かの視点に立つ。そのことで社会問題の解決に役立つということです。当然こういうことを商売のヒントに事業を起こす人も出てきますよね。VRの可能性を感じさせるお話でした。

VR(バーチャルリアリティ)

最初に書いとけばよかったんですが、VR(バーチャルリアリティ)について少し整理。VRとは、「現物、実物(オリジナル)ではないが、機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系(ウィキより引用)」だそうです。

作り出す技術、つまり装置として最も早く提供され、現在世界シェアトップなのが、ソニーのPlayStation VRです。プレステというゲーム機に接続して使用するタイプのゴーグルですね。他にも、ゴーグルにスマホを取り付けて使用するタイプのもの、パソコンに接続して使用するタイプ。そしてゴーグル単体でPCやスマホといった機器を必要としないタイプがあります。いずれもゴーグルを頭から被って使用します。

価格の方もスマホをセットして使用するタイプが数千円程度で提供されているのに対し、PCにつなぐタイプでは10万円超のものまで様々です。VRを体験できるアトラクションなんかも増えてきましたし、kuniもそろそろ購入してみたいと思っているところです。

先端技術研究 電池、電力の考察

明けましておめでとうございます。

昨年8月からブログを始めまして、分からないことばかりでしたが、何とか毎日更新を続けてくることができました。読んでいただいてる皆さんに何らかのお手伝いができていればと思います。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

昨年最後 12/31 日本経済新聞一面は「先端技術研究 中国が先行 30テーマ8割で首位」という記事でした。まぁ、中国の躍進といったら、、、凄いことになってるんですね。掲載された一覧表を見てあらためて驚かされた方は多かったんじゃないかと思います。

加えてすべてのテーマにおける論文数で日本が1位になっているものがない。最高でも3位なんだそうで、これにはがっかりというか、危機感を覚えました。皆さんはどう感じましたか。もちろん論文の数だけではないんでしょうが、これはこれで一つのアプローチの仕方ですよね。

最も注目されるテーマ 電池

世界の研究者たちが最も注目している先端技術のテーマで、最も多かったのが「電池」に関するものだったようです。ベスト10だけみても全部で5テーマがランクイン。「ペロブスカイト」、「ナトリウムイオン電池」、「リチウム硫黄電池」、「有機薄膜太陽電池」、「電気二重層コンデンサー」という順でした。

やはり、次世代の電気自動車やロボットなど、新しい産業の要となる新技術ということですね。これに加えて脱炭素を目指す世界の方向性というのもあると思われます。電池というカテゴリーになっていますが、ペロブスカイトは新しい太陽電池の材料ですし、有機薄膜太陽電池もあり、再生可能エネルギー関連技術も2テーマ含まれています。

日本が抱える喫緊の課題

以前、洋上風力発電の記事でも書きましたが、いま日本は原子力発電で躓き、石炭火力等に頼っている状態です。震災による不幸な出来事ではありましたが、時計の針を戻すことができないのも事実です。であれば、その不幸を味わった日本でしかできない技術革新をしていきたいものです。

ただ、いくらカッコイイこと言っても、kuniにはそんな技術も知識もありませんので、ブログを通じて少しでも何らかのお手伝いができないものかと考えております。日本が抱えている喫緊の課題は、原子力発電に代わる再生可能エネルギーを如何に速やかに手に入れるか。今年もこのテーマについて深掘りしながら、皆さんにご紹介していきたいと思います。