レオパレス21の界壁問題がまた新たに報道されています。昨年は必要な「界壁がない」という施工不正でしたが、今年2/7に新たに1,324棟で施工不正が見付かったと公表されたのは、界壁や外壁の中に充填している素材が問題になっています。
ということは、昨年来調査してきて、界壁が施工されているとして不備なしとしてきた建物についても、その充填素材に問題が見付かっているということになりますね。まず、天井の耐火性に問題があるとみられる641棟に住む7,782人に転居を要請するそうです。遮音性を満たさない物件などの入居者を含めると、引っ越しを促す総数は約1万4000人。住宅建設を巡る不正では異例の規模のようです。
とにかくまぁ、よろしくない噂や係争だらけのこの会社、今回はさすがにアウトっぽいですね。株式市場ではストップ安比例配分となったようですが、株主もよくここまで持っていたなぁというのが素直な感想です。もっとも、現保有者ってのは、既に切った張ったの投機家たちなんでしょうけど。
サブリースショック
サブリースショックが現実味を増してきました。スルガ銀行、TATERU、レオパレス21、、、とサブリースに関して不正を行ってきた上場企業の揃い踏み。レオパレス21の顧客(アパートのオーナー)は実に7割がリピーターだとか。これまでの報道でも明らかになってきていますが、本来貸せる相手ではない顧客への過剰な融資が、ここまでアパート投資を拡大させてきた最大の要因です。
サブリースという顧客のすそ野を拡大する枠組みに、貸出先に困っていた地銀が過剰な融資で資金を供給。不動産業界と金融界のニーズが一致する、20世紀末のバブルと同じメンツです。今回もここにちょっとしたバブルが膨らんできました。レオパレスの件がトリガーとなって弾けてしまうのかもしれません。
時を同じくして、2/9付け日本経済新聞では、とても小さな記事でしたが、「銀行のカードローンの融資残高が、2018年末時点で前年末比0.8%減の5兆6995億円と8年ぶりに減少した」と日銀が公表したことを伝えています。こちらも利用者の返済能力を上回る過剰融資が問題視されていた件です。
また、1面トップでは「銀行融資 危うい復調 20年ぶり500兆円」という記事もありました。「日銀の分析によると地銀105行のうち過去3年間に貸出量を増やした銀行は、増やさなかった銀行よりも収益力が落ちていた。」という内容です。地銀の貸出先がかなりやばいことになっているわけです。
地銀の抱えるリスク(おさらい)
以前の記事で書いた、地銀の抱えるリスクを再掲しておきます。③と④について、大きな変化が出てきました。⑥の保険の販売についても販売態勢(説明態勢)の見直しが4月頃に行われるようです。
①従来よりもリスクの高い顧客層への貸し出し
②大都市等、他の地域へ進出した貸し出し(主に住宅ローン)の拡大
③アパートローン(サブリース問題も含む)への過剰貸し出し
④個人向けカードローンへの過剰貸し出し
⑤有価証券運用(投資信託と外債への投資が中心)
⑥投資信託や保険等の金融商品販売