電子マネー 実は高齢者に拡大

1/29 日本経済新聞の記事です。これまでほとんどのメディアや識者が指摘してきた、「高齢者は現金へのこだわりが強く、電子マネーは普及しない」説があっさりひっくり返されました。机上の空論ってやつですか。やはり、現場で実際にやってみないと分からないもんです。

70歳以上の電子マネー平均利用額が、直近5年間で87%増え、伸び率は全世代の平均(58%)を上回るんだそうです。他にも高齢者に受け入れられているというデータが示されていました。で、後講釈の上手い新聞としては、以下の4点を高齢者にとってのメリットとしてあげています。

①使える金額の上限をあらかじめ設定できる
②紛失時に利用を停止できる機能がある
③キャッシュカードを持ち歩きATMで現金を下ろして使うより安全性が高い
④年をとると手先を自由に動かしづらくなるので、お金を数えることが苦痛

子が親に電子マネーを勧める

これも気持ちは良く分かります。上にあげたメリットの①②③などは子供が親のことを心配して使わせているのが想像できます。特に③などは子として一番心配でしょう。これらはいずれも・・・だから現金より安心という理由ですね。一方で④は現役バリバリで働いている人たちには想像すらできなかったこと。高齢者の目線で考えることができなかった部分です。

ということで、nanacoやヨークベニマルで取材した「高齢者に受け入れられている」とか「使い勝手の良さが支持されている」といった、とって付けたような記事が添えられています。これは結論ありきで誘導した取材記事のようです。ただ、データは本当なんでしょう。最近統計は信用できませんけど。

本命と思われていたQRコード

高齢者に受け入れられている電子マネーだけど、ここで取り上げられているのは主にチャージして使用するカードであり、スマホを前提としたQRコードによる決済は高齢者では普及していないようです。この現象は高齢者特有の傾向なんでしょうか。

財布から出して指定の場所にピッとタッチするだけ。カードの使用方法は非常に簡単です。これは顧客の年齢に関係ないですから、意外に本命はカードかもという気がしてなりません。この記事はちょっと気になりますね。

ちなみに、今現在kuniが最も頻繁に使用している電子マネーは交通系カードのpasmoなんですが、チャージが面倒なんですね。クレジットカードと連動して改札機を通るときに、自動でチャージしてくれる機能もあるみたいですが、残念なことに既存の大手クレジットカードとは連動しないみたいです。

けど、自動改札機で自動でチャージしてくれる機能、これ便利そうじゃないですか。他にもチャージが工夫されたカードがないものか、調べてみたいと思います。

南都銀行の店外ATM セブン銀行が広域受託

コストダウンに迫られる地銀とそれを囲い込もうと企むローソン銀行の記事を以前書きましたが、地方銀行第一号は南都銀行。それも相手はローソンではなくセブン銀行となったようです。

2019年より店外ATM入れ替えへ

2019年中に駅や大学を中心に店外に設置された南都銀行のATMを、セブン銀行のATMに置き換え、共同でATMを運営、その後の利用、運用状況を確認しながら順次拡大していくとのこと。ローソン銀行が目指していた店舗の共同運営については視界に入っていないようです。

セブン銀行のプレスリリースによると、現在も26社で449台を受託、運営しているそうですが、地方銀行では初めてのようです。また、日本経済新聞では、「全体の4割に当たる239台の支店外ATMを一括委託する」という書きぶりになっていますので、これまでのセブン銀行の実績との比較でもかなり大きな案件ですね。

地方銀行にとってのコスト削減モデルに

同じく日経によると、南都銀行はATMの運営費が今の半分に圧縮できるとしており、1億円以上のコスト削減を目指しているとしています。地銀に限った話ではありませんが、ATMのメインユーザーは高齢者、地方になればその傾向はさらに強まります。ATMを削減するとなると、顧客やその地域からの反発が予想されます。

どこだったか忘れてしまいましたが、地銀がある地域の営業所だか、ATMだかから撤退を決めたら、その自治体の取り扱い金融機関から外されたとか、外されそうになったといった話もありました。

だったら、ATMだけ全部コンビニに任せようという発想にならない方が不思議ですよね。もちろん、コンビニ銀行使ってみたらとっても便利。ってことで、「コンビニ銀行に顧客を奪われるんじゃないか」、という心配も分かります。けど、まだその分野で戦うの?って感じです。もっと自分たちの強みを出せて、収益性改善できそうな戦場で戦わないと。

ふくおかFG傘下の収支管理アプリ導入

「南都銀行がふくおかFGの傘下のフィンテックベンチャーが運営する収支管理アプリの提供を受ける」なんていうニュースも見つけました。iBankマーケティングという会社らしいですが、広島銀行、沖縄銀行に続いて3行目らしいです。こういう新しいサービスにも対応しつつ(単独でできなかったらどこかと組むのもありでしょう)、レガシーコストには大鉈を振るう。地銀の中では参考になる動向かもしれませんね。

なお、iBankマーケティングのHPで確認したところ、収支管理アプリ「Wallet+」を今現在使えるのは、福岡銀行のほか、沖縄銀行、熊本銀行、親和銀行となっています。南都銀行はまだ準備中ということでしょうか。