移動型ATM 移動型店舗

災害現場で移動型ATMが活躍 西日本豪雨でも

本日、日本経済新聞は休刊につき、電子板の記事より。最大震度7の地震に見舞われ、全域で大規模な停電が発生した北海道。金融インフラも寸断され、現金をおろすためのATMも一時的に使えなくなった。

そんな災害現場で注目されているのがこの移動型ATMらしいです。記事では西日本豪雨の際に、倉敷市の真備地区で吉備信用金庫が運用した移動型ATMが紹介されています。写真で見ると一般的な中型バスを改造したもののようで、和歌山県の新宮信用金庫が保有する移動型金融店舗車らしいです。新宮信用金庫が支援として貸し出したんですね。

この移動型店舗、ATMを積んでいて、携帯電話の電波が届くところなら、ATMや窓口での取引が利用できるという優れもの。信金間のシステムやATMの変更もしたうえで提供されたそうです。

これこそ地域に密着したサービス

ATMを積んだ移動型店舗を導入している信用金庫は、全国で5つ、地方銀行で20行ほどとのこと。こうした災害時の対応って地域の顧客に本当に喜ばれるでしょうね。

いくらキャッシュレス決済が普及しようと、そのサービスを提供するには、電源が確保され、システムが正常に稼働していることが大前提です。

地方の金融機関が抱える課題と移動型ATM

地方では過疎化や生産年齢人口の減少、住民の高齢化が進んでおり、金融機関としてもこうした課題に取り組んでいるところ。どこに収益を見いだしていくのか、という難しい経営判断の前に、地域住民に本当の意味で必要とされることが重要ではないかと思います。

地域金融機関同士の競争は熾烈かもしれませんが、他との競争の前に、「○○銀行さんにはいつもお世話になってるから」という地元のファンを作っていく。県境を越えて他県に進出するとか、大都市に展開するのではなく、原点に戻って地域住民との関係を再構築していくことを真剣に考えるべきだと思いますね。

こう考えていくと、この移動型ATMって可能性を感じさせます。災害時はもちろんのこと、普段から過疎地への定期派遣や、各種イベント会場への派遣など、様々な場面で利用価値は高いと思うんです。

この移動型ATM(移動型店舗)、実はコンビニATMの普及により、減少していたんだそうです。しかし、今後コストの高い店舗を廃止していくんでしょうし、これだけ自然災害が多発するんですからね。

地域金融機関のみなさん、ここらで見直すべきだと思いますよ。おそらく、メガバンクには出来ないサービスですから。

無人島は秘密基地

9/9 日本経済新聞の9面、特集記事です。日本には6432の無人島があるらしいです。それを島丸ごと買って無人島ライフ。まさに男の夢ですね。この記事見てどんな物件があるのか、相場は?なんて気になった方も多いんじゃないでしょうか。

アクアスタイルズ

kuniも調べてみました。記事の中でも紹介されていたアクアスタイルズさん。ホームページには「アクアスタイルズは無人島販売の国内唯一の会社です」とあり、国内の無人島として、11の物件が紹介されています。相場はというと、2,200万円から5億円まで。

kuniの出身地である山口県の物件も2,200万円で出てました。沖鍋島という島です。出身の町からもかなり近いんですね。このあたりは瀬戸内の小島(たぶん無人島も)があちこちに点在する海域で、海もとてもきれいなところです。ただ、潮の流れは結構速かったと思います。小学生のころ、この島の対岸(本州側)でサザエやアワビを素潜りで獲ったことがありまして。。。

山口県熊毛郡上関町大字長島字沖鍋島

一島丸ごとだから、そういうもんかもしれませんが、2,000万円ねぇ。これに生活するためのインフラ整備に追加で1,000万円とか平気でかかるでしょう。記事で紹介されてたお二人のように、月に2、3回訪れるなんて別荘感覚で保有するのは、相当ハードル高そうです。

経済的なハードルに加え、ロケーションのハードルもかなりのもんです。東京からこの島の対岸にある熊毛郡上関町という町まで、新幹線、山陽本線、地元のバス、と乗り継いで。6時間以上かかります。故郷にUターンして、残りの人生をここで、という選択ならアリかもしれませんね。都内にマンション買うより安くあがりそうだし。

早朝からこんなこと調べながら、男のロマン、いい妄想させていただきました。

スルガ銀行 第三者委員会

見過ごしてきた経営陣の善管注意義務違反も認定

第三者委員会の調査結果が公表されました。スルガ銀行のニュース見てると気分が悪くなってくるので、少しほっといたんですが。

経営陣の善管注意義務違反も認定とあります。一方で、「経営責任を明確にするため、創業家の岡野光喜会長、米山明広社長ら3人の代表取締役、望月和也専務、柳沢昇昭常務の計5人の役員が7日付で辞任した。」そうです。

ここでいう善管注意義務は会社法上、取締役に課せられると解釈するのが一般的で、取締役は7名(社外取締役は除く)。計5人の取締役が辞任ですから、2名については、経営責任は問わなかったが、善管注意義務違反はあったという違和感のある結論。そのうちの一人が新社長に就任するらしいです。

新社長は期待できるの?

以前から指摘しているように、取締役なんですから、このお二人にも辞めてもらうべきでした。残した二人に再建までの責任を果たしてもらい、軌道に乗ったら退任、なんてシナリオがあるんでしょうか、、、? ないな。

この新社長、ラスボスの会長が取締役に選んだ使い勝手の良い人物だったのか、それとも社長と同期入社ながら後塵を拝してきた、会長にはちょっと扱いにくい「No」と言える人物だったのか。前者のような気がしますけどね。

株主代表訴訟や顧客からの訴訟

一旦これで落ち着いちゃうんでしょうが、今後想定される訴訟においては、また違った結論が出る可能性が高いと思われます。会社法上の善管注意義務違反では新社長の責任が認められ、監査役にまでその責任が及ぶ可能性もあります。今後も目が離せませんね。

そういえば、金融庁の検査も続行中でした。今回の第三者委員会の報告書も踏まえ、どのような行政処分を下すのか。委員会報告や役員人事を覆したりすることあるんだろうか。ちょっと期待したりして。

70歳雇用 努力目標に

9/6付け日本経済新聞トップ記事です。高年齢者雇用安定法の改正も視野に入れつつ、70歳まで働けるようにしようという政策ですね。労働人口が減少していく中、当然の流れでしょう。現在、法が定める本人が希望した場合の継続雇用年齢は65歳。これを70歳まで引き上げようというものです。

高年齢者雇用安定法に対する企業の対応の実体

「高年齢者雇用安定法は企業に対し、継続雇用年齢まで「定年延長」「再雇用」「定年廃止」のいずれかの対応を求める。17年の厚生労働省の調査では、実際に定年を延長し、65歳以上としている企業は17%、定年制廃止は2.6%にとどまり、8割が再雇用だ。」(記事から引用)

私が勤めていた会社もこの8割とされている「再雇用」を採用してました。再雇用の会社側のメリットは、本人がそれまで積み上げてきた実績やら功績を全部一旦リセットできること。これまでとは違うんだよっという宣言を受けてしまうんです。だから、ここで大幅な賃下げが行いやすい。かなり能力の高かった人も、これでモチベーション失って、一気に衰えていく先輩たちを何度も見てきました。会社にとっても非常に大きな損失ではないかと思います。

実はそれ以前にも、60歳の前に、55歳で役職定年なるイベントがあり、課長や部長をしていた有能な人材は役職定年、つまり課長、部長の席を追われ、スタッフに戻されるというイベントもありました。ここでもモチベーションダダ下がり。こういう制度を持っている企業も多いと思います。55歳、60歳、2段階でやる気を失わせる人事制度です。経営も人事もバカですよね。

生産年齢人口の減少

どんどん若い人を採用できた時代はこれで良かったんです。しかしこれからというか、既にかもしれませんが、生産年齢人口はがんがん減少しています。そのうえ金融業界などは就職先としての人気もがた落ちです。高年齢者の中にやる気も能力もある人材を選抜して、まだまだしっかり働いてもらわないでどうするの。って思うんですよ。

一方で、コスト削減、人員削減が必要なのもよく分かります。だけど、それを年齢で考える(高年齢者を一律に切る)っていうのは、経営の思考停止、人事の業務放棄に他ならない。とkuniは考えるのですが、みなさんはどう考えますか?

地銀 私募投信の購入に傾斜

9/6付け日本経済新聞の記事より。地方銀行が貸し出し先に困り、利ざやも取れず、外債投資は当局から睨まれ、、、そんな中で私募型の投資信託に傾斜しているという記事です。

ポイントはコア純益

「私募投信は会計上、「その他有価証券」に分類されることが多い。期中の価格変動で含み損益が発生しても決算時の損益に計上する必要はない。一方で投信を持つことで得られる毎期の分配金や、投信の売却益は本業のもうけである「コア業務純益」に計上できる。」

この記事で押さえておきたいところ、ポイントは記事中のこの記載部分です。「期末時点で評価損は計上する必要はなく、期中に売却して得た実現益だけ計上することが可能」というところ。そうすることで本業が儲かっているように見えるんです。こんな会計ルール誰が決めたんでしょうね。

ブル・ベアファンドの両建てで実現益確定

この会計ルールを悪用して、ブル・ベア投信を両建てし、儲かった方だけを売却、損している方はそのまま放置。こんなことやってる銀行もあったようです。粉飾とまでは言わないけど、立派に会計操作ですね。いくら相場の素人だとはいえ、これはいただけません。

もう少しわかりやすく説明

日経平均2倍レバレッジのブル・ベアファンドで説明します。ブル型ファンドは日経平均株価が10%上昇すると20%の利益が得られるファンドで、ベア型ファンドはその逆で20%損するファンドです。逆に日経平均株価が10%下落するとブル型ファンドは20%損して、ベア型ファンドが20%儲かるわけです。2倍レバレッジというのは、その指数の変化率を2倍に拡大するという意味です。

この両方のファンドを同時に買い付けると、日経平均株価が10%変動すると必ずどちらかが20%儲かり、もう一方が20%損します。トータルでみると損益なしです。

これを期中に儲かっている方だけ売却して利益を確定(実現)し、損している方はそのまま期末まで保有するわけですね。10億円ずつ計20億円買い付けていたとすると、儲かっている方だけ売却して2億円の儲け、本業の儲けを表すコア業務純益を2億円追加することが出来るわけです。

この仕組み、対象とする指数の値動きの良さ(ボラティリティ)とレバレッジの倍率で、コア業務純益に追加できる利益額が決まります。相場の当たり外れは関係ありませんので、よりリスクの大きい取引(値動きが良く、レバレッジも高い)が選ばれるでしょう。

決算を繕った後、売却しなかった含み損のファンドは、売却のタイミングを失い、最終的には実現益とは比べものにならないほどの損失を出してしまうのが通常です。

ご理解いただけたでしょうか?ここでは極端な例を紹介しましたが、投資信託を複数銘柄買い付けたのち、儲かっている投信だけ売却して利益を出し、含み損は抱えたまま。後に大損して売却。だいたいこのパターンですね。こんな運用をやっているわけですよ、みなさんに投資信託の購入を勧める銀行で。