持続化給付金詐取の疑いで逮捕 東京国税局職員に大和証券元社員も

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者に国から支給される「持続化給付金」をだまし取ったとして、東京国税局の職員など7人が詐欺の疑いで逮捕されました。逮捕されたのは、東京国税局の職員や元職員、証券会社の元社員などいずれも20代の男女あわせて7人です。

大和証券?

逮捕された7人は、大学生などを中心におよそ200人に嘘の申請をさせ、あわせて2億円を不正に受給した疑いがあるといいます。一昨年、個人事業主を装い、新型コロナウイルスの影響で事業収入が大幅に減ったという嘘の申請をして、国の持続化給付金をだまし取ったという詐欺ですね。

この7人の中に大和証券元社員という報道がなされているわけです。7人のうちの一人、ということだけではなさそうで、ある放送局などは、「大和証券元社員の男が、持続化給付金の制度開始直後に不正受給の仕組みを提案していたことが新たにわかりました。」と報道しています。結構中心人物だったんでしょうか。

大和証券元社員の被告が、給付金の申請の受け付けが始まった直後の2020年5月下旬頃、不正受給した給付金を暗号資産の投資にあてる仕組みをグループの仲間に提案していたということです。この元社員とされる人物、犯行当時は大和の社員だったんでしょうかね。別の事情で退職済みだった本当の元社員であれば、メディアがここまで社名を出すとも思えません。

大和証券は

逮捕の報道を受けても大和証券ではこの件に関するコメント等を公表していません。おそらく臨時の取締役会でも開催して、コメントを出すかどうか検討くらいはしてるでしょう。犯行が行われた当時、元社員と同社は一切関係なかったのであれば、そういうコメントを出すべきではないかと思いますね。

株式会社ポプラ 債務超過の猶予期間入り

株式会社ポプラは5/26、「債務超過の猶予期間入りに関するお知らせ」を公表しました。同日、有価証券報告書を提出し、2022年2月期決算において債務超過となったことから、株式会社東京証券取引所が発表したとおり、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となったということです。

株式会社ポプラ

ポプラは「ポプラ」などの自社ブランドと、ローソンのメガフランチャイジー(大型加盟店)として「ローソン・ポプラ」などのコンビニエンスストアの運営を手掛ける企業。店舗は広島県を地盤に関東以西に展開しています。「生活彩家」っていうコンビニもポプラが展開していますね。都市部を中心に、大学やオフィス、ホテル、病院などの施設内に多く出店してきました。

コロナの影響で

実はkuniが務めていた会社が入居していた巨大なオフィスビルにも、生活彩家が出店していて、約3年間お世話になりました。大学やオフィス、ホテル、病院などの施設内に出店してきたという形態がコロナ下では命取りになったようです。こうした施設では在宅勤務や臨時休業などによる来店客数の減少といった影響が顕著でした。

2021年2月期通期のチェーン全店売上高は 34,511 百万円(前期比 25.5%減)と前年を大きく割り込み、1,318百万円の純損失を計上して純資産を大きく毀損。2022年2月期についても経常損失1,007百万円、当期純損失518百万円となり、年度末において純資産が429 百万円の債務超過に陥ってしまいました。

新型コロナウイルス感染症の影響に起因するものと認められたため、上場廃止に係る猶予期間は2年。2022年3月1日から2024年2月29日だそうです。収益構造の見直しと新ビジネスモデルの構築に向けた事業構造改革に取り組む同社。近所に店舗があれば応援買いしたいところですが、あいにく店舗がなくて。

新型コロナ ワクチン接種でアナフィラキシー17人?

厚生労働省は9日、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた医療従事者9人が、重いアレルギー症状のアナフィラキシーとして報告されたと発表した。国内でこの症状の報告は計17人となった。と、報道されていますが、厚労省のHPでは確認できません。なんで?

定義が違うのか

冒頭のアナフィラキシーに関する記述は、あるメディアの記事をそのまま引用したものです。3/9時点で累計17人ということですね。ところが厚労省の報道発表資料を見ても、この情報は掲載されていません。

日付を遡ってみると、3/5に「新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例について(1例目)」というのが出てきます。さらに遡ってみると、3/2に「新型コロナワクチンの接種後の死亡事例の報告について(1例目)」というのがもう一回出てきます。この事例が話題になった死亡事例ですね。

さらに、さらに遡ると、2/20には「新型コロナワクチンの接種後の副反応疑い報告の事例について」という発表が。内容としては、「2件について、当初アナフィラキシーとして報告されましたが、その後報告者から症状名が訂正された事例です。」とあります。

メディアの姿勢

医療現場から厚労省へ「副反応疑い報告」が上がってきますが、ワクチン接種によるものではない偶発的な症状も含まれていて、後日訂正されることがあるということのようです。そのため厚労省の報道発表資料では今でも「1例目」となっているみたい。

しかしこれって、副反応疑い報告が何例、うち副反応ではないと判断されたものが何例。みたいな情報にして、分かりやすくするべきですね。それと、メディアについても同様で、あくまで「副反応疑い報告」の件数であることを明示すべきですし、後に訂正された(取り消された)数字を含めて恐怖心を煽るような書きぶりはやめるべきです。

前田建設 前田道路のTOBを振り返る

コロナの影響で資金調達に走る企業が増えています。先週末にもJALの公募増資による1680億円の調達の話題がありました。このニュースを見てある出来事を思い出しました。今年春の出来事、前田建設による前田道路への敵対的TOBのお話です。

何とも残念な

このTOBに関しては下に出ている関連記事をお読みいただくとして、なぜこの件を思い出したかというと、なんであのタイミングで特別配当を出し、内部留保を535億円も吐き出してしまったんだっけ、、、という疑問が湧いたからなんです。

前田道路が採った捨て身の焦土作戦だとか、戦術の問題はさておき、新型コロナの影響で今では上場企業の多くが運転資金の確保に走り回っているわけです。なんとも残念なタイミングだったんだなぁ、と。

前田建設によるTOBが成立したのは3月12日でした。その日の夜中、米国ニューヨークではダウ工業株平均がブラックマンデー以来の急落に襲われます。前日比2,352ドル安の21,200ドル。下げ幅では史上最大の下げでした。翌日東京市場も一時1,800円を超える下げ。

コロナショックを読み違え

TOBを決めた当時、コロナショックで経済がここまで冷え込んでしまい、企業が生き残るために一番重要なのは「キャッシュ」という時代が来るとは、両社ともに読めてなかったでしょうね。

先日、三洋化成と日本触媒も経営統合中止を発表していました。こちらは円満に進んでいた話ではありますが、やはりコロナの影響を中止の原因としてあげていました。前田建設と前田道路の件も、あと1ヶ月、2か月、タイミングが遅かったらどうなってたでしょう。

前田道路株式、TOBで取得された価格は3,950円。11月6日終値は1,816円です。キャッシュは大量に流出するわ、取得した株は半値以下に落ち込むわ。ん~、何とも残念な結果です。

旅工房 【2020年6月分】旅行取扱状況速報

以前当ブログで、「旅工房(6548)従業員による不正 調査報告書」というのを取り上げました。法人営業部門の従業員の不正が発覚したというやつですね。詳細は当時の記事をご覧いただくとして、今回は6月の同社の営業状況のお知らせです。

悲惨な状況

まずはファクト。6月の海外旅行取扱額は6,373千円、前年同月比0.3%。国内旅行取扱額は26,036千円、前年同月比45.0%。合計で32,409千円、前年同月比1.3%だそうです。これ、増加率ではなくて去年の6月との比較ですからね。合計取扱額が1/100になっているということです。

ちなみに、新型コロナウイルス感染拡大直前の今年1月を見てみると、海外旅行取扱額は1,958,775千円、前年同月比115.0%。国内旅行取扱額は108,583千円、前年同月比130.8%。外国人旅行取扱額は34,058千円、前年同月比68.7%。合計で2,101,416千円、前年同月比114.5%です。

1月の時点で外国人旅行取扱額は30%以上減少。中国からの旅行客が減少し始めたからでしょうね。それでも合計では14.5%伸びているわけで、その後このような悲惨な状況になるとは思っていなかったでしょう。ちなみに、6月の外国人旅行取扱額はゼロです。

それでも株価は

まさに需要が蒸発してしまった旅行業界。今後もどこまでこの状況が続くのか、って感じですが、株価の方は回復基調。8/3の終値833円から1000円台まで回復しました。Go Toキャンペーンも始まり、少なくとも4~6月期で最悪期を脱したとみているんでしょうかね。

しかし、この業界どこまで回復するんでしょう。需要回復のスピードと自己資本の減少のスピード。だけの話になっていきそうです。同社に限った話ではありませんが、マーケットは倒産リスクをいつごろから織り込み始めるでしょうか。