VPP バーチャル・パワー・プラント(仮想発電所)

VPP バーチャル・パワー・プラント とは「分散する再生可能エネルギーや蓄電システム等を一括制御し、一つの発電所のように機能させる仕組み(仮想発電所)」のことです。

7/5付け日本経済新聞に「英蘭シェル、日本で電力小売り」という記事が掲載されました。石油世界大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが日本の電力小売市場に参入し、販売を始めたとのこと。蓄電池を活用した再生可能エネルギーの需給を制御するシステムの提供も検討すると伝えています。

注目すべきはゾンネン

なんとなくぼんやりしたタイトルになっていますが、この記事で注目すべきはゾンネンというドイツの会社です。2010年に設立された蓄電システムベンチャーですが、2015年からは電力の小売り事業を開始し、クラウド・コミュニティモデルであるゾンネンコミュニティを展開しています。

このゾンネンコミュニティでは、コミュニティメンバーが太陽光発電と蓄電システムを自宅に設置します。これらの世帯をネットワーク化し、メンバー同士で過剰な電力を持つ世帯から、電力が不足している世帯へ融通するというもの。既にドイツ全土に展開しているようです。まさに、VPPの先駆者と言っていい存在です。

毎月20ユーロ(約2,400円)程度の手数料で、従来の電力会社へ支払うべき電気代が不要になっているらしく、かつ、約200万円の初期投資についても、およそ10年間で回収できるとのこと。ちなみにこの設備のライフタイム(耐用期間)は20年だそうです。

ロイヤル・ダッチ・シェルの100%子会社に

と、ここまで日経の記事を無視した展開になってますが、やっとシェルの出番です。今年2月、ロイヤル・ダッチ・シェルがこの蓄電システムベンチャー企業というか、VPP企業のゾンネンを買収し、100%子会社にすることで合意したと発表されました。その後の報道を聞かないんですが、たぶん既に買収については実行済みだと思われます。

そのため、日経の記事ではシェルの話になっているんですが、彼らの日本戦略はどう考えても、ゾンネンが得意とするVPPではないかと。FIT(再生可能エネルギーにより発電された電気を国が定めた買取価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度)による買取期間満了を迎える日本に対して、まさにVPP本家が殴り込みをかけてきたということです。

住宅用太陽光発電と家庭用蓄電システムを活用した新たなビジネスモデル。ゾンネンの参入を契機に、日本でも一気にVPPが加速しそうな感じです。