エア・ウォーター株式会社 会計不正に関する特別調査委員会の調査結果を公表

昨年9月に発覚し、調査が進められてきたエア・ウォーターにおける会計不正。2/13にその調査結果が公表されました。エア・ウォーターは各種産業ガスの供給を原点に事業を広げ、ケミカル、医療、エネルギーや農業・食品、物流、海水、エアゾールなど多様な事業を展開する東証プライム上場企業です。

全290ページに及ぶ調査報告書では、子会社4社と本体エア・ウォーターの一部門において、数億円規模の在庫の過大計上が行われてきたことや、売上の不正計上が行われていたことが明らかにされています。

何より驚くのは、報告書の登場人物(不正に関与した人物)の多さです。数えるのも嫌になるような人数です。子会社の役職員に止まらず、エア・ウォーター本体の役員にまで及んでいます。金額ベースではそれほど大きな不正とは言えませんが、ここまで会社全体で行われた不正としては、過去に例をみないレベルかもしれません。

PTS(私設取引システム)では同社株はさっそく大きく売られており、投資家や株主へのインパクトもデカそうです。当ブログではこれ以上不正の詳細は取り上げられませんが、ガバナンスはまったく機能していない企業、経営陣であったことは間違いありません。

株式会社ジェイ・イー・ティ 特別調査委員会を設置

株式会社ジェイ・イー・ティは2/9、「特別調査委員会設置に関するお知らせ」を公表しました。売上計上時期(2023年12月期及び2024年12月期)に関する事実関係の調査など、確認すべき事項が生じたためということです。

2/6の第一報(決算発表の延期に関するお知らせ)では公表されていませんでしたが、どうやら「売り上げの計上タイミングの妥当性」が、少なくとも現時点で問題視されているようです。

ジェイ・イー・ティではこのところ不可解なことが起きています。昨年9月、同社がテレビ番組で取り上げられたことで株価が急騰(その後すぐに急落→事情を知る者の売り抜けはなかったか)。同年11月には四半期決算が赤字に転落。今年1月には通期の業績見通しを赤字拡大に下方修正。そして2/6に決算発表の延期を公表。

今期に計上していた売り上げの計上時期が問題視され、結果的に業績が大幅に悪化。さらに、これが計上時期だけの問題なのか、そもそも当該売上に実態はあるのか、みたいな感じで傷口を広げていってるような感じです。特別調査委員会のメンツを見てもかなり豪華なのが、そうした疑念を増幅させます。

KDDI 連結子会社ビッグローブ等で不適切な取引 従業員の不正も

KDDIは1/14、連結子会社ビッグローブとその傘下のジー・プランの広告代理事業に関し、不適切な取引が行われていた疑いが判明したと公表しました。特別調査委員会を設置して事実関係などを明らかにするといいます。

子会社であるビッグローブ株式会社及び同社の子会社であるジー・プラン株式会社の広告代理事業に関し、社内監査役及び内部監査部門による調査を実施。まず、売上高等が過大に計上されていた可能性が判明しました。

さらに、外部の弁護士・公認会計士を含む社内調査チームを設置して追加の調査を進めた結果、広告代理事業の一部に、社員による不適切な取引の疑いが確認されたとのこと。

「社員による不適切な取引の疑い」ですかぁ。 どうやら、売上高の過大計上という不適切な会計処理にとどまらず、子会社従業員が金銭詐取などの不正を働いていた・・・っていうところまでが見えてきたということのようです。KDDIの関与はなかったのかな?

株式会社オルツ ストップ安売り気配

当ブログで一昨日取り上げた株式会社オルツ。連休明けの本日、朝から売りが殺到しストップ安売り気配となっています。やはり、投資家(株主)にとってかなりのインパクトのある材料として認識されたようですね。

売り気配

この記事を書いている時点で、337円のストップ安売り気配となっており、朝から一度も値を付けられません(前週末の株価は417円ですから80円安のストップ安)。1100万株の売り長(買いはわずか3万株ほど)という状況が事の大きさを表しています。

監査法人 幹事証券 東証

昨日も一言だけ書きましたが、この会社、上場の際に既に不正が行われていた可能性が高いと思われます。だとすると、上場審査がどのように行われていたのかが問われることになります。ちなみに監査法人はシドーという会社で、IPO時の幹事証券(上場に向けた支援等を行う証券会社)は大和証券のようです。

幹事証券では通常、公開引受部とか、公開審査部という部署があり、公開予定企業が公開させて良い企業(公開に値する)かどうかを、長い時間かけて審査していきます。その結果をもとに幹事証券の経営判断として取引所に上場申請をさせるわけです。それを受けて東証でも同様の審査が行われます。

監査法人→幹事証券→東証、という順に会計処理の妥当性をチェックし、上場するに値するかどうかを審査していくため、上場前から粉飾決算が行われていたとすると、彼らの責任は当然追及されることになります。(この記事はあくまで粉飾上場だったとすると、という前提で書いています。)

株式会社オルツ 粉飾決算か 第三者委員会を設置

株式会社オルツは4/25、「第三者委員会設置及び 2025年 12⽉期 第1四半期決算短信の開⽰が四半期末後 45⽇を超えることに関するお知らせ」を公表しました。売上が過⼤に計上されている可能性が認められたためとしています。

株式会社オルツ

オルツは、個人の行動やパターンを学習してカスタマイズされたAI(人工知能)であるパーソナルAI(PAI)や、膨大なテキストデータを学習して自然言語処理を実行する大規模言語モデル(LLM)の開発などを手がける東証グロース上場企業です。昨年10月に上場したばかりです。

粉飾決算

同社の「 AI GIJIROKU 」の有料アカウントに関し、⼀部の販売パートナーから受注し計上した売上について、有料アカウントが実際には利⽤されていないなど、売上が過⼤に計上されている可能性が認められたとのこと。

過去の業績を見ても、毎期売上はかなりの勢いで伸びていますが、利益はマイナスが拡大しています。確かに違和感のある状況。現状では粉飾決算が確定しているわけではありませんが、その可能性は高そうです。売り上げの過大計上だけで済むのか、架空循環取引などが出てくるのか。「今⽉初旬より、証券取引等監視委員会の調査を受けており、これが端緒となった」というのも気になります。

そして何より問題は上場して半年しか経っていないこと。いわゆる粉飾上場の可能性も高いわけです。投資家はたまったものではありません。ここでも東証の上場審査はどうなってるんだというお話に(幹事証券もだけど)。当事案、かなり大きな問題に発展しそうです。