江崎グリコ 約7か月ぶりに冷蔵品の出荷再開

少し前になりますが、江崎グリコは9/30、「当社基幹システム障害に伴うチルド商品(冷蔵品)の一部商品の出荷再開に関するお知らせ  ~ 第5報 ~」を公表しました。これで停止していた冷蔵品のすべての出荷が再開できたということです。

システム障害

このシステム障害は4/3に基幹システムを切り替えた際に発生したもの。340億円をかけ、計画より1年以上遅延して稼働させたシステムでいきなりシステム障害という散々なスタートでした。当初、5月の中旬の出荷再開を目指していましたが、なんと復旧に6か月を要してしまいました。

「BifiXヨーグルト」シリーズや「カフェゼリー」など、8品目の出荷を11月5日から再開するとのことで、停止していた全79品目が約7カ月ぶりに全面復活します。まずはお疲れさまでしたって感じですが、半年というのはちょっと長すぎですね。

古いシステムから新しいシステムへの移行などで、切り替え作業中に重大なトラブルが発生して新システムの正常稼働が見込めなくなった場合、切り替えを中止して元の状態に戻すという対応をとることがあります。新システムへの移行を妨げる不具合が解消され再び切り替えの準備が整うまで旧システムでの運用が継続できます。

こういう対応を「システムの切り戻し」などと言います。まぁ、様々な事情があったとは思いますが、切り戻しで当面のピンチを乗り切るという選択肢はなかったんでしょうかね。

マクドナルド 店頭レジ不具合から5日目で全店舗営業を再開

日本マクドナルドは7/23、「一時休業店舗の営業再開について」 を公表しました。「7月19日(金)より発生している店頭レジ不具合の影響により、一部営業を停止している店舗がございましたが、7月23日(火)12:00時点でほぼ全店が営業を再開しました。」とのこと。

店頭レジの不具合

先週19日にレジが立ち上がらない不具合が発生し、全国の店舗の3割にあたるおよそ900店舗で営業を停止していました。このうち半数以上はその日のうちに営業を再開しましたが、残りの店舗についても、7/23正午時点でほぼすべて営業を再開したということです。

発生原因

同社ホームページでのお知らせでは発生原因等については一切触れていません。一部報道によると、原因については、自社のレジシステムで起きた不具合によるもので、同じく先週19日に発生したウィンドウズのシステム障害との関連性はなかったということです。

いやいや、レジシステムでなぜ不具合が起きたのかが知りたいんだけど。システム開発会社のプログラムミスや設定変更のミスなのか、はたまた不正アクセスによる障害やランサムウェアで身代金を要求されているのか、などなど。

あまりに開示がないと、最悪の状況を想像してしまいます。ランサムウェアで警察等の捜査に協力しているために、現時点で詳細は公表できない・・・みたいな。知らんけど。

マクドナルド 店頭レジの不具合 大規模システム障害発生か

日本マクドナルドは7/19、「一部店舗の営業停止について」を、同社ホームページで公表しました。「店頭レジの不具合により一部店舗で一時営業を制限、または停止している」、という内容です。詳細についてはまったく触れられていません。

日本マクドナルド

世界的ハンバーガーチェーン『マクドナルド』を日本で展開する企業。チェーン全店(約3,000店舗)売上高で外食業界トップ(2022年度)。時価総額ではゼンショーHDに次ぐ業界2位となっています。上記のような企業のサイズですが、東証スタンダード上場企業です。

システム障害

公表文では「店頭レジの不具合」とだけ説明されていますが、各種報道では全国各地のマクドナルドの店舗で営業を停止したり、現金のみで注文を対応しているとしており、認識としては大規模システム障害と捉えているようです。「今朝からPOS(販売時点情報管理)システムが立ち上がらない」という報道も。

マクドナルドでは今年3月にもシステム障害が発生していました。この時は世界中のマクドナルドで障害が発生、グローバルで契約する外部のITシステム会社が設定を変更したことが原因で不具合が発生したとされていました。

今回の障害は今のところ国内店舗(全体の約3割程度の店舗)だけで発生しているようです。このところ多発している不正アクセスによるシステム障害? それともWindowsの強制再起動が原因?

江崎グリコ システム障害で「チルド食品」(冷蔵品)の出荷再停止

江崎グリコは4/22、「当社グループにおけるシステム障害について」を公表しました。基幹システムを切り替えた際に発生したシステム障害により、現在、一部の受発注及び出荷業務に影響が出ているということです。第一報は4/5に出ていたんですね。

江崎グリコ

江崎グリコは多くのロングセラー商品(「ポッキー」、「プリッツ」、「ビスコ」など)を持つ大手菓子メーカー。菓子、冷菓のほかに乳製品や食品原料なども展開。米国や中国、タイをはじめとする海外にも進出しています。もちろん東証プライム上場企業です。

障害の状況

洋生菓子「プッチンプリン」や乳飲料「カフェオーレ」のほか、果汁や清涼飲料といった冷蔵品を取り扱う全国の物流センターでシステム障害が起きているようです。常温や冷凍食品の出荷には問題は出てないみたい。5 月中旬の再開を目指して復旧作業に努めるとしています。

発生原因

このシステム障害、4 月 3 日(水)に、基幹システムを切り替えた際に発生した。と説明されています。開示では「基幹システムを切り替えた際」と説明されていましたが、のちの報道では、この基幹システムへの切り替えに340億円が投じられた、と説明されています。

ちなみに、この基幹システム刷新のプロジェクトを手掛けた主幹ベンダーは、デロイト トーマツ コンサルティングだそうで、プロジェクトは1年超も大幅に遅延していたそうです。1年超も遅延したうえでの本番、即障害発生、システム開発においては、あるあるなんですけどね。

スギ薬局(スギホールディングス) うるう年の影響でシステム障害

大手ドラッグストアのスギ薬局を展開するスギホールディングスは2/29、処方箋管理システムの障害が起き、全国のスギ薬局で処方薬の会計ができなくなったとのこと。同社の開示ではなく、こちらは共同通信が報じた情報のようです。

スギホールディングス

スギホールディングスは、主に調剤薬局(医師の処方箋に基づき保険調剤する薬局)併設型のドラッグストア「スギ薬局」を運営する企業。一般用医薬品・健康食品・化粧品等の販売から、処方箋調剤、健康相談なども担っています。愛知県に本社を置く東証プライム上場企業です。

この日、ドラッグストア国内最大手のウエルシアホールディングスと、2位のツルハHDが経営統合するというニュースが出ており(公表は28日)、ドラッグストア業界が世間の注目を集めていました。ちなみに、スギホールディングスは業界第6位ですね。

システム障害

処方箋管理システムの障害が起きたのはうるう年(2/29はうるう日)の影響だそうです。システムのデータベースにおける、日付テーブル(カレンダーテーブル)がうるう年を考慮してなかったということでしょうかね。しかしまぁ、今どきこんな初歩的なミスで障害が起きるとは。

これを書いている段階で、同社からの開示やお知らせもなく、詳細は不明です。ちなみに、神奈川、新潟、愛媛、岡山の4つの警察本部の運転免許センターでも、うるう日の影響でシステム障害が発生したそうです。4つの警察本部のシステムはいずれも同じメーカーのものなんだとか。スギ薬局も?