アフターコロナ (その2) 国内生産回帰

アイリスオーヤマが来月から国内でマスク生産を開始する話を先日書きました。素材から国産にこだわり、日本国内の生産設備導入により、1億5千万枚/月というマスク生産計画を発表しています。なぜ同社は国内生産回帰を決めたのでしょう。

日本製造業 「コロナ後」再生の道

このタイトルは「選択5月号」の記事のタイトルです。非常に納得感のあるお話でした。新型コロナウィルスがきっかけとなって、世界が中国リスクを再認識し、日本の製造業も中国から国内に回帰し始めるというストーリー。

そしてさらに、日本の製造業のみならず、中国企業の誘致の好機であるとも言ってます。中国と日本の人件費はもうそれ程の差はなく、あらゆる面で日本の地方の工業団地は中国より魅力的になっていると指摘しています。政権により接収や財産の没収といったリスクを回避したいという中国の企業家のニーズもあるとか。「工場のインバウンド」だそうです。

地方への分散が始まるのか

英国がEU離脱を決めた後、ホンダが英国から撤退するというニュースがありました。このケースは関税が絡んでるわけですが、生産工場を置く国のリスクを嫌い、他国へ、もしくは国内回帰といったサプライチェーンの再構築がもう始まっているように思います。

米国と中国の対立から貿易戦争が勃発、中国に生産拠点を置くことのリスクが大きくなってきていたところへ新型コロナウィルス。今度は中国の政治リスクが顕在化します。感染拡大を阻止するために中国政府が採った強権的な政策を目の当たりにし、そろそろ中国に見切りをつける企業が増えてくるんでしょうか。

日本国内はどうかというと、先日も書いたように東京や大阪に人口が集中していることのリスクをまざまざと見せ付けられました。国内回帰する製造業は地方に生産拠点を。東京等に集中していた人口は地方への分散、、、となるのでしょうか。