外国人入国者数と 訪日外国人旅行者数

1/24 日本経済新聞記事から、「技能実習の新規入国者、最高の15万人」という記事です。記事の前半はともかく、後半は統計データを並べて書いただけ。記事と記事の間を埋めるだけに使われた記事。そんな感じの記事でした。

後半の記事

「全体の外国人入国者数は過去最高の3010万人で、17年から267万人増加した。再入国者を除く新規入国者数も2757万人で10%増え、過去最高だった。観光庁は16日、18年の訪日外国人旅行者数を発表し、17年比9%増の3119万人で過去最高だった。」(引用ここまで)

基準がバラバラで、比較の仕方が違うと、ここまで難解な文章になってしまうという良い例ですね。前の年と比較して267万人増加、10%増え、9%増加。3つのデータを示しているんですが、増加の実数やら増加率やらを一緒に使われると何のことやら、すんなり頭に入ってきません。

外国人入国者数と訪日外国人旅行者数

そもそも、何の説明もなくこの二つの統計データが出てくるんですが、外国人入国者数と訪日外国人旅行者数の定義の違いって分かります?こんな事ほとんどの人が知らないだろうに。kuniだけが知らないんでしょうか。

外国人入国者数は法務省が公表している統計で、現時点では速報値として示された18年のデータです。一方の訪日外国人旅行者数は観光庁が公表している統計で、こちらも速報値です。で、それぞれの数字が過去最高の3010万人と3119万人。統計の違いを説明しないと、この記事意味を持たなくないですか。

ということで調べてみました。法務省のプレスリリースに出ていましたが、なんとまぁ、これ見付けるのどんなに苦労したことか。もう少しサイトの構成考えた方が良いんじゃないかな。以下引用です。

法務省では、我が国への入国時に「短期滞在」、「留学」等の在留資格を受けて上陸を許可された者及び特別永住者に係る入国者数を「外国人入国者数」として集計しています。なお、観光庁が公表する「訪日外国人旅行者数」は外国人入国者数から在留資格「永住権」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」及び「定住者」による入国者数並びに特別永住者の入国者数を除き、船舶観光上陸許可数、寄港地上陸許可数及び通過上陸許可数を加えたものです。(引用ここまで)

最後までお読みいただいた方、お疲れさまでした。簡単に言うと法務省は、船舶により入国したものを除き、入国した外国人全部を集計している。観光庁はその数字から日本に定住等している者を除き、船舶で入国したものを加えている。ということかな。船舶経由で入国した外国人が234万人となっていましたので、観光庁の訪日外国人旅行者数は外国人入国者数から100万人以上増加しています。

厚労省の統計が大問題になっていますが、法務省と観光庁の間でも、はたして別々の省庁でこんな統計が必要なのかな、と思わせる光景がありました。どっちかに集約するとかすればいいのに。これらの統計も自分たちに必要なくなってきたら、不適切に集計方法やら変えちゃうんでしょうね。