スルガ銀行 株主 創業家株式売却

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スルガ銀行 創業家株売却へ

9/21 日本経済新聞記事です。創業家が関連企業などを通じて保有するスルガ銀行株を売却する意向とのこと。企業文化・ガバナンス改革委員会に対し、このことや同行からの借り入れを返済する用意があることを伝えてきたようです。

昨日の日経記事、金融庁は一喜一憂でしょうね。スルガ銀行は今後の焦点と見られていた創業家に新しい動きが出て、やっと道筋が見えてきたと思いきや、仮装通貨67億円が流出。これでまたいろいろと批判にさらされるんでしょう。流出の事実の公表の仕方などちょっと気になるところもあります。ただ、このお話は別の投稿で。

創業家関連企業の持ち株は発行済み株式の15%超

この15%の株はどこに行くんでしょうかね。創業家の手を放れることで、新しい経営陣が、機能不全だったガバナンスを立て直し、健全な地域金融機関として再建さしていく。とまぁ、メディアが描いてきた勧善懲悪の構図がこれで完成しそうなもんですが、そう簡単には行きません。

金融庁検査の対応、訴訟の嵐、まともにやったんじゃ、そもそも生き残れそうにない銀行の事業環境。加えて、ここから参入してくるであろう、この会社の解散価値に着目した物言う株主たち。

BPS 1,400円 PBR 0.4倍

昨日このニュースを受けて株価は620円のストップ高。創業家が手を引き、創業家に対する怪しい融資に関してもクリアになるということで、株価は一気に反応しました。ここで市場が注目したのが、以前紹介した一株あたり純資産(BPS)、すなわちこの銀行の解散価値です。

その他の銀行株も金利の上昇気配を材料に、3日間上昇していたことも手伝ってのストップ高。早くも目標株価を1,400円とか言ってる人もいますね。ここで注意しておくべきことをいくつか上げておきましょう。

まず、一株あたり純資産の1400円について。過剰な融資から発生する貸し倒れでどれぐらい損失を計上するか。これにより純資産は減少します。また、ほとんどの融資がでたらめだった訳ですから、今後の訴訟等で賠償金額が膨らみ、これも純資産を減少させます。一方で株主代表訴訟では経営陣の責任を問い、賠償金は会社に入りますので、こちらは純資産を増加させる作用があります。

次に、PBRの0.4倍について。別の投稿でも取り上げましたが、もともと地銀株のPBRは0.4倍を下回っていたわけですから、他行との比較ではそれほど上げ余地はないということです(ただし、銀行株全体が上げ始めてますから、地銀株PBRも上昇傾向にありますが)。こんな風に考えていくと、このあと大きく上げるとは思えないわけですね。

最低限これくらいのことを頭に入れて、値動きを見ていきましょう。ただ、一般投資家が手を出す銘柄ではないですからね。最後に、この株、信用取引の空売りの買戻しという特殊要因があります。上げるときの勢いは凄いはずです。実はこれが一番の材料でして、完全に理屈抜き。マネーゲーム化すると思いますので、、、あくまで傍観で。

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