東洋経済オンラインで、「首位は4兆円、賃貸不動産の含み益が多い企業80社」という記事がありました。ここでいう含み益というのは、現時点での「潜在的な(評価上の)利益額」のこと。実際に売却するまでは金額が確定しないものの、過去の株式市場ではよく材料視されてきました。
時価評価
日本では以前、会計上、保有する不動産を取得時の価額で計上する方法が一般的でした。しかし、資産価値の変化を会計に適切に反映できないという弊害があることから、2000年から順次時価評価の適用が拡大されてきました。バブルの時代、不動産は簿価で評価されており、時価との差額である含み益が、しばしば株式市場での買い材料となっていたんですね。
その後この時価評価は有価証券等にも拡大され時価評価が当たり前になっていたんですが、この記事が言っているのは「賃貸不動産」です。会計上、賃貸不動産は取得したときの価格(簿価)で貸借対照表に計上され、不動産の高騰などで価格が変わっても、売却しない限りは基本的に利益を計上しないんだそう。
株式市場のテーマに?
確かに、よそ様にお貸ししている不動産ですから、そう簡単に売却して現金化はできない資産だからという判断だったんでしょうね。しかし、今では店子に影響がない形でビルやショッピングモールなど、他社やファンドに譲渡される事例はいくつもあります。
会計処理のルール変更を、、、なんて話題が出始めたら株式市場はほっとかないでしょうね。ちなみに4兆円で首位とされたのは三菱地所。以下に大手不動産や電鉄会社などが並んでました。