先週末の日本経済新聞に「米証券、売買手数料ゼロへ ネット大手、新興の攻勢に対抗 体力勝負、再編観測も」という記事がありました。先行していた米国の最大手チャールズ・シュワブに追随し、ネット証券2社が株式の売買手数料をゼロにするというニュースです。
ロビンフッド
手数料無料を先導したのが、新興勢力のロビンフッドという会社。この新興勢力に対抗する形で、その他のネット証券が競って手数料をゼロにし始めたということのようです。これらに加えて、記事ではJPモルガン・チェース(こちらはネット系ではない)がリテール銀行の顧客向けに、売買手数料を一定回数まで無料とするサービスを始めたとも伝えています。
日本でも無料化へ
日本も将来的には売買手数料ゼロに進んでいくんでしょうね。ここで、この記事を理解するためにいくつか足もとの実態を見ておきましょう。記事で売買手数料と言っているのは、株式委託手数料のことです。株式(ETF含む)を取引所で買う注文、売る注文を出すときに、証券会社に支払う手数料ですね。
1,000万円のA株式を買うケースを考えてみましょう。野村證券では支店に電話して買う場合、81,928円の手数料が掛かります。同じ野村證券でもインターネット取引の契約をしている人がネットから発注する場合は、同じ注文でも10,476円しか掛かりません。
次にネット証券のSBI証券を見てみます。同じ注文をネットで発注する際の手数料はスタンダードコースで、1,013円です。PTSへの発注ですとさらに安く、963円です。PTSというのは取引所に出すのではなく、SBIジャパンネクスト証券の中で値付けするもので、同社の私設取引システムのことです(機会があればいずれまた詳しく書きます)。
どうでしょう。最大手証券の営業マンとの取引からネット証券での取引まで、株式委託手数料もこれだけ違いがあるんですね。ちなみに野村証券の19年3月期の株式委託手数料収入は915億円。総収益が5,750億円ですから、今でも全体収益の16%を占めています。これがゼロに、、、。
さぁて、1999年10月に始まった株式委託手数料の完全自由化。あれから20年、株式委託手数料の無料化バトルがl始まりそうな気配です。