先週末にかけて、台風19号が特定非常災害に指定されたという報道がありました。また、激甚災害に指定というニュースも。何となく聞き流してきたこの「激甚災害」と「特定非常災害」という言葉。災害列島日本に暮らす者として知っておいた方が良さそうです。
激甚災害
「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」という長~い名前の法律があります。発生した災害のうち、その規模が特に甚大であり、国民生活に著しい影響を与えたものに対して、地方公共団体および被災者に対する復興支援のために、国が通常を超える特別の財政援助または助成を行うことを目的とした法律です。
「激甚災害に指定する」というのはこの法律を適用するという意味ですね。昭和37年公布の法律ですが、平成11年に改正され、指定するかどうかの判断基準が大幅に緩和されたため、これ以降はほぼ毎年のように劇甚災害の指定が行われています。
特定非常災害
こちらの法律はもっと長いです。「特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律」。先ほどの激甚災害については法律の名前でだいたい目的が理解できましたが、こちらは法律名を見てもよく分かりませんね。
ザックリ説明すると、行政上の権利利益の満了日(例えば運転免許証の有効期限日やお店の営業許可の有効期間)が到来しても、これを一定期間延長してくれる法律です。被災により更新等の手続きがとれない場合を配慮してくれるということですね。
今回の台風19号については、令和2年3月31日まで有効期限を延長できるとされています。他にも、事業報告書の提出など、期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責や、法人の破産手続き開始の決定の特例、相続の承認または放棄すべき期間の特例、民事調停法による調停の申し立ての手数料の特例、といった措置が定められています。