少し前になりますが、西武ホールディングスは10/8、「一部報道について」を公表しました。同日、一部報道機関より、同社連結子会社である西武建設株式会社の株式を売却するとの報道がなされたことを受けての開示ですね。
開示の内容
まぁ、よくあるヤツです。「当社または西武建設が発表したものではなく、現時点で決定した事実もございません。」ってヤツですね。けど、この手の否定開示はほぼ間違いなく、後に「正式決定しました」ってのが出てきます。が、しかし、その後今のところ正式発表はありません。あれっ?
アセットライト
西武ホールディングス(HD)は昨年あたりから、「アセットライトな事業構造へ転換」を志向し始めています。昔は私鉄各社とも路線を伸ばし、または新設し、沿線の不動産開発。これこそが成長エンジンでした。ところがもうこの成長モデルが通用しなくなってきたわけです。
それでも当分は、資金繰りや財務基盤には余裕があり、現状で積極的に売却などを進める段階ではないとも、言ってましたね。そこへ新型コロナが直撃。本体の鉄道事業そのものがかなりヤバいことになってきました。まさに、資金繰りや財務基盤に余裕がなくなってきているんだと思います。
私鉄各社
もともと私鉄各社の中でも資産効率が良くなかった西武ですが、こうした事情は各社似たようなものです。今回話題になった西武建設は非上場企業ですが、先日当ブログでも取り上げた東急不動産のように、上場している私鉄傘下の建設会社や不動産会社もあります。
「私鉄各社の連結子会社株式の売却」。売却される側の企業が属する業界の再編にもつながる可能性もあり、株式市場でも材料視されていくかもしれませんね。