ちょっと古い話題ですが、10/24、SBIホールディングスが群馬県を地盤とする東和銀行と資本提携することが日経で伝えられました。SBIが進める地銀連合構想で5行目の出資です。その翌営業日の10/26、金融審議会での銀行・証券の垣根問題に関する議論が日経で紹介されていました。
ファイアウォール(FW)規制の緩和
金融審議会市場制度WGで議論されているのは、銀行と証券が顧客情報を共有することを制限するルールの緩和について。この日紹介されていたのはM&Aを例にした法人顧客のケースでしたが、個人についても概ね同じような展開で、野村、大和が緩和反対。メガバンク等が賛成という構図。
この日のニュースでも海外の顧客だけを規制の対象外とする、という玉虫色の結論。野村證券を筆頭に、大和証券など6社が入る「資本市場の健全な発展を考える会」というのがあるんですね。銀行が証券の世界になだれ込む、、というか、銀行系証券が銀行の顧客を囲い込むことに対して抵抗を続けているわけです。
SBIの地銀連合構想
上位の銀行と上位の証券がFW規制の緩和でもめているところ、スルスルと抜け出してきているのがSBIですね。菅首相や金融庁とも、地銀再編という目的が一致していることもあり、地銀連合構想、ことのほか順調に進んでいます。
SBIにとっては、地銀が抱える地域の重要顧客へのアクセス権が得られるという大きなメリットがあります。この後も着実に銀行顧客を囲い込んでいくでしょう。
「選択」11月号では、SBIが紹介して地銀に融資させているとして、THEグローバル社に対する融資の危険性に触れていましたが、まぁそれくらいのことはやるでしょう。北尾氏は生き馬の目を抜くと言われていたころの株屋の、数少ない生き残りですから。
金融審における野村、大和の記事とSBIの日経記事。ほぼ同時に出てきた記事なんですが、両陣営の勢いの差を感じさせられる記事でした。