1/24 日本経済新聞の記事です。使い捨てプラスチックへの対応が、日本と欧州で違いが出てきているという記事。欧州では日本など比較にならないほど樹脂製のストロー廃止が進んでいるというもの。そのうえで記事ではEUがリサイクルの強化により、新たに20万人の雇用を創出しようとしているとしています。
リサイクルでは日本よりEUの方が上
リサイクルを強化するんだったら、ストロー廃止しなくていいんじゃないの?と、突っ込みたくなるところですが、そこはグッと抑えて。。。記事ではリサイクルの方法は2種類あって、EUが後押しするリサイクル法は「マテリアルリサイクル」だと言います。
経済協力開発機構(OECD)の報告書では、このマテリアルリサイクルで各国のリサイクル率が示されており、日本のリサイクル率は22%、EUの30%を下回るそうです。ところが日本側の認識では、「日本ではリサイクルが進んでいて86%」とのこと。この認識の違いを生んでいるのが、サーマルリサイクルを計算に含めるかどうかということらしいです。
リサイクル方法の違い
マテリアルリサイクル:廃プラを原料として、プラスチック製品に再生する手法
ケミカルリサイクル :廃プラを科学的に分解して、化学原料に再生する手法
サーマルリサイクル :廃プラを焼却して熱エネルギーを回収する手法
このように、調べてみるとリサイクルの方法は3種類出てきましたが、二番目のケミカルリサイクルについては、記事では触れられていません(ただし全体に占める比率は小さかったです)。こうやって比べてみると、確かにサーマルリサイクルってのは、プラスチックのリサイクルではなくて、エネルギーのリサイクルでしかないように見えます。
EUはサーマルリサイクルを含めずにリサイクル率を計算していて、日本で主力のリサイクル方法が世界に認められなくなってしまうかもしれないと、危機感を訴えているわけです。
ところが、環境省が2016年のデータで作成した資料によると、ドイツやスイス、オーストリア、オランダ、や北欧3国などは、サーマルリサイクルも含めた基準で100%に近い数字になっています。何だか日経記事の調子とは違います。日本が得意とする基準で比較したとしても、これらの国々にはあっさり負けているということ。英国やフランスで70%前後ですので、かろうじて日本の方が上といったところです。
日本の技術力 再び
素人のkuniには、リサイクルの方法としてはマテリアルリサイクルに軍配が上がるように見えますが、プラごみの種類やその分別など、もっともっと様々な要素があり、どの基準で見るべきか、当ブログで結論が出せるようなお話ではなさそうです。ただ、一つ言えることは、「日本のリサイクル率は世界でも有数」、、、で思考停止しちゃダメってことですね。
50代、60代の日本人は「日本の技術力は高い」と思ってます。しかしながら、最近の若い人は全然そう思ってないらしいです。違いは何か。日本のハイテク製品が世界からNo1と評価され、自動車もテレビも日本製ばかり、という日本の全盛期を知っているかどうかです。今はもう日本が一番なんてことないんですね。もう一度、技術の日本を見せつけてほしいものです。